何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

FOOT STEPS




 荒井が心がけていることに、気になるものごとはなるべくやってみるというのがあります。
 そんなわけで例によってこのプログラムも永年気になっていたわりになかなか入力してなくて、この年の瀬になってようやく手を付けたものでした。今年の最後にご紹介するのはその永年気になっていた作品、ベーマガ掲載プログラム「FOOT STEPS」です。





 本作は固定画面型アクションゲームです。画面中に敷き詰められた色とりどりのパネルの上を歩き、制限時間内にゴールプレートにたどり着けば面クリア。それだけならいかにも簡単ですがさにあらず。察しのいい方はスクリーンショットでお気づきかもしれませんが、画面上に操作するべき自機は表示されていません。ならばどうやって。
 そこに「フットステップ」こと「足音」という題名の意味があります。自機は見えないかわり、移動すると足下のパネルの色に応じた足音を立てます。これを手がかりに自機の位置を割りだし、ゴールを目指すのです。
 最初はちょっと戸惑うかもしれません。STOPキーを押しながらじっくり位置を探したり、わざと画面の隅に移動して特定しやすくするといった技を使いながら進めると、多少コツが掴めてくるでしょう。そして慣れてきて、見事推理が的中したときの爽快感! こんなぐあいに上手くなってくると俄然面白くなってきます。





 面が進むと敵が出てきたり、周囲が落とし穴になったりと、どんどん難しくなってくるのはおやくそく。ただしこのゲーム、敵は自分を追いかけてくるので、敵がいた方がかえって位置が特定しやすかったりします(笑)。
 作者は拙blogでもおなじみのKimcoさん。本作は1985年末頃の号に掲載されたゲームプログラミング講座のサンプルとして発表されたもので、テーマは「ゲームはアイディアで勝負だ!」。その看板に偽りなし。ゲームの要である効果音もよく作り込まれていて、ツボを押さえた作りにさすが名手Kimcoさんと唸らされます。





 さて、そういうわけで今年もなんとか一年生きのびまして、あいかわらずほとんど毎日MSXのプログラムを入力していたのでありました。今年のゲームプログラムは全部で17本。ちょっと少ないのが残念といや残念ですが、気が向くまま細々とやっているくらいでちょうどいいのかなという気もします。例によってリストを提供してくださった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
 今年は一見地味ながら、「ボクソン・チュウメイ」と「シーギャング」あたりが感触よかったです。


 「写経」も今年で6年目。始めた頃に小学校に入学した子供さんが、卒業するという時間です。その間に入力した作品がだいたい150本。年平均で25本。月々なら2本くらいです。入力するプログラムは基本、雑誌刊行当時に荒井が気になっていた割にさっぱり手を付けていなかったもの。細々と入力し続けた結果、ついに遊べるようになったものも数多いわけですが、気になるものを細々と、一歩一歩訪ねまわるという姿勢は、今後も変わらないんだろうなと思います。こんな調子で来年も、いろんなところに行ったり、いろんなプログラムを入力したりできたらなと思います。


 時は2015年。陽炎も買える街。かつてキリンジが歌った世界も、過去になりなんとしているんだなぁ。


例によって入力したプログラムの一覧は以下のとおりです。


スクエアバトルコンストラクションセット
HADES PRISON
ボクソン・チュウメイ
HYDE PARK
MAGNET BALL
ももたろう
シーギャング
CAPLE
DEMAND
XETRA
THE STARTREK
ZALBAR2784
特別編超難解版テセウス
SUPER BLOCK MAZE
TENBIN KUN CLUB
BOUND WAR
FOOT STEPS