
例年どおり年末の追い込みとなっております。というわけで本日はMSXプログラムネタ。ベーマガ87年5月号より「BALL BALL BALL」です。
やはりボールが転がるゲームです。主人公はボール星人のバウン君。春休みの宇宙旅行中に宇宙海賊B.B.ことブラックボウラーに捕まって、おかしな8段迷宮に閉じ込められてしまいました。このままでは春休みが終わってしまいます。その前に脱出しなければなりません…とまぁ、当時の投稿ゲームは、こういう「なぜか捕まってしまった!脱出しよう!」という導入が多かったですな(おい)。

ともかく、フロアに点在する「E」マークを5個全て集めて出口にたどり着きましょう。迷宮はパネルで構成されてあり、通過した場所にはヒビが入っていきます。ヒビが入ったパネルを踏むと割れて穴が開いてしまいます。バウン君がパネルから落ちるとワンミスです。一度動き出したらバウン君は止まれません。
ステージによっては、パネルでつながっていない場所もあります。そんなときは敵B.B.を利用します。B.B.にぶつかってもミスにはなりません。そのかわり、バウン君が跳ね飛ばされてしまいますが、この弾みで穴を飛び越えることができるのです。離れ小島に渡るときは、この技に頼ることとなります。
フロアには「S」マークも落ちています。これを拾うと、任意に静止できるようになります。ジャンプしたいポイントでB.B.を待ち伏せするのに使えますが、使える回数が決まっています。使いどころはよく考えましょう。

作品はナムコの「モトス」の影響を強く受けている印象です。「モトス」と違うのは、パズル要素が強いこと。作者さん曰く、本作は「パズルゲーム」。クリアにはアクションのキー捌きに加えて、フロアの回り方やジャンプする場所、時には敵をおびき寄せるためどのパネルを割るかを考えることも必要です。
通常、この手のゲームでは、拾ったアイテムの数だけジャンプできるといった味付けをすることが多いです。そこをあえてそうせず、ジャンプには敵を利用しなければならないとすることで、敵をあしらう面白さが加わっています。

…クリアの可否も乱数に左右されるということだ
しかし。面白くなる要素には恵まれているのですが、敵の動きがランダムなのはいただけません。せっかくの内容が台無しです。
B.B.の移動には乱数が使われています。そのため動きが気まぐれで、どう動くかが読めません。必要なタイミングでジャンプポイントまで来てくれるかは全くの運次第です。巡りが悪いと、全くクリアできません。このおかげでゲームが理不尽に難しく、解く楽しさ以上に不満が募るばかりでした。
作者さんは本作について「ほとんど敵の動きにかかっている。運命型パズルゲームと言っても良い。イライラしてコンピューターを壊さないように」ともコメントしています。
パズルゲームの魅力は、理詰めとひらめきで解ける快感です。ですが理屈でもひらめきでもなく、ひいてはアクションの腕前ですらなく、クリアは運次第という理不尽さは、パズルゲームとして致命的だと言わざるを得ません。
さらにかなり厳しいことを申し上げれば、自分で「運命型。コンピューター壊すな。」とうそぶくくらいなら、それよりもまず、運に頼らずクリアできるよう手を入れるべきだったのではないでしょうか。クリアの可否が畢竟「運命」では、やる気が著しく失せてしまいます。

ゲームはMSX2用です。ベーマガでは掲載時にミスがあって、MSX1以降用として紹介された上に、リスト1が欠落してました。これに関しては6月号で訂正された上、不足していたリストも掲載されています。
MSX2用だけにグラフィックはまずまずきれいです。加えて各種データの受け渡し用にメモリファイル機能を使用しています。メモリファイル機能とは、MSX2のRAMの一部*1をディスクドライブのような記録ストレージとして使える機能です。リスト1で各種データをメモリファイルとして格納し、メインリストで随時呼び出して使う、といった使い方をしています。なかなか使っているところを見ない機能だけに、面白いことをやってますな。
で、気づけば今年も聖誕節前夜です。世界情勢は日に日に厳しくなってますが、こんなときだからこそ今日ぐらいは世界が平和でありますように。そして子供らに明るい未来を。
*1:バンクを切り替えないとアクセスできない領域、通称「裏RAM」を使用していたと記憶します