何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

西吾妻山に登ってきた

梵天岩から見る西吾妻山の図

GR III。PhotoShop Elementsで縮小・切り出し・色補正


 というわけで晴天が期待できそうな先日の秋彼岸の一日、米沢の西吾妻山(にしあずまやま)に登ってきました。
 西吾妻山は、山形と福島を隔てる吾妻連峰の最高峰です。標高は2035m。月山よりも少し高いです。

この夏月山から見た吾妻連峰磐梯山の図。
こんなの見えたらあっちにも行きたくなるじゃないか

 吾妻連峰は荒井の住んでいるところからけっこう遠いため、永らく縁のない山域でした。近所の桧原湖檜原峠には何度か出入りしたものですが、それでさえ15年近く前のことです。しかしあえて登ってみようとおもったのは、意外に短時間で登頂できるとわかったことと、近年の東北中央道の整備にともない置賜が近くなったゆえ。
 とりあえずどんなところか見てみたい、隙あらば登ろう、と機会をうかがっていたところ、先日、たまにチェックしているBSの山登り番組で金子俊之さんが登っているのを見ていよいよ登りたくなって、とうとう決行したという次第です。あとこの夏月山から磐梯山を見たもんで、久々に近くで見たくなったというのも大きい(おい)。

天元台高原ロープウェイ湯元駅。白布温泉からすぐのとこ。

 登山道は数ありますが、初めて登るので今回は最短かつもっとも簡単であろう天元台コースを選択。白布温泉から標高1800m付近の登山口までロープウェイとリフトが通じており、これで一気に山頂に近づけます。
 始発のロープウェイに間に合うように家を出て、一路米沢を目指します。天気予報はからりとした秋晴れ。しかし山形市のあたりから見ると、吾妻連峰のあたりだけやけに雲がかかっています。上杉神社を過ぎ船坂峠に近づいても、山の上は妙にどんよりとした雲だらけです。月山と同程度の標高だからこういうことも無理はないと自分に言い聞かせてみますが、せめて磐梯山くらいはとロープウェイ乗り場に着いたのが、発車30分前のことでした。

天元台高原。コンティニューは1回(違)

 平日にもかかわらず、乗り場にはすでに2~30人が行列を作っていました。そしてみな山登りの格好をしています。西吾妻山日本百名山でもあります。間違いなく全員吾妻連峰に登りに来たのでしょう。
 ロープウェイは1時間3便。始発を逃せば20分ほど次の便を待たねばならないため、いそいそと行列に接続します。その甲斐あってか無事始発に滑り込むことに成功。ついでにモンベルクラブの特典で、料金少し値引きしてもらえました。

リフトを乗り継ぎ登山口へ。まずは空中散歩というやつだ

 ロープウェイを下りたところが天元台高原です。冬はスキー場となるところで、あたりには食堂やペンションなどが立ち並びます。ここからはリフトを3基乗り継ぎ、標高1820mの登山口・北望台を目指します。
 リフトは楽ちんです。自分がひいこら言うかわりに急な斜面を登ってくれます。索道の下にはところどころに「コバイケイソウ」だの「チングルマ」だの、その場に自生する高山植物を案内する札が設置されてありますが、秋ですから葉っぱばかりです。今の時期目立つのはリンドウのお花畑。気づけばあたりはオオシラビソの森です。

しゃくなげリフト山麓乗り場から見る米沢とリフト脇のオオシラビソの図。
この角度から米沢見るの初めてだな

 中腹のあたりは雲もなく、振り向けば眼下に米沢の街が意外に大きく広がります。リフト乗り場の係員さんによれば、この日は「当たり」。ぐずついた天気続きの先週からは打って変わってひさびさに晴れたのだそうです。
 かくてリフトに揺られること約40分。終点の登山口・北望台に到着。リフトで登ってきた登山客はみんなここからスタートするので、登山口前はけっこうな混みようです。ここまで来ると標高のためか、あたりは懸念していたとおりに雲の中(泣)。そのうち晴れてくれよと支度を済ませ、荒井も出発です。

北望台登山口。リフト降りたら目の前です

 北望台の先はいきなりガチの登山道です。道は細く、木の根や大きな石で足元も良くはない区間がしばらく続きます。なんとなくリフトでやってきて、遊歩道の延長のような感覚で足を踏み入れたら大変なことになりそうです。さらにみんなリフトで次々にやってきて続々と登山道に入っていくものだから、渋滞して歩くペースが掴みづらい(汗)

大凹(おおくぼ)からいろは沼を経て梵天岩へ。
庭園のような登山道が続く

 しかし登山道としては、歩きやすい方でしょう。なんといっても山頂との累積標高差は300m少々。その間延々と続くえげつない急登や、足を滑らせたら谷底まで真っ逆さまという難所がありません*1
 かもしか展望台を過ぎれば高い木は消え、あとはおおむねなだらかな道が続きます。ところによっては木道あり。行く先々に池塘や水場、岩場が次々に現れ、天空の庭園とでもいった趣です。紅葉には今少し早いものの、湿地は草紅葉へと変わりつつありました。
 こんな調子で登山口から山頂までは約1時間半。西吾妻山のてっぺんは展望のない木立の中で、三角点もありません。標柱のおかげでここが山頂だとわかりました。てか標柱がないと山頂だとわからねぇ(おい)。

西吾妻小屋付近と天狗岩の様子。休憩するなら天狗岩の方がオススメ

 ここまで来ると、雲が若干晴れてきました。山頂の少し先にある避難小屋のあたりにさしかかると、待望の磐梯山が南に望めます。西吾妻山から見る磐梯山は、背景にばかでかい猪苗代湖を背負っているように見えます。久々に間近から磐梯山を拝むという願望を叶えてまずは満足です。
 天狗岩に戻ってくると、米沢方面が見えるようになっていました。吾妻神社脇の眺めのいいところで昼餉の後、来た道を引き返します。

磐梯山安達太良山一切経山などなど。あっちもそのうち登れるかな

 往路では雲に阻まれあまり見えなかった周囲の山並みが、今度はよく見えるようになっていました。東の方を見ると、安達太良山一切経山から家形山・東大巓(ひがしだいてん)を経てこちらに連なる吾妻連峰の主稜線がはっきりと見えます。

かもしか展望台から見る白布峠・檜原峠方面。
中吉程度の当たりは引けたようだ

 吾妻連峰は、東西20キロ以上にわたる山域です。今回歩いたルートはそのほんのわずかに過ぎません。お手軽に吾妻連峰のいいところが味わえるこのコースも至って楽しいものですが、東西に延びる稜線を眺めていると、あちらの方にはどんな風景があるのだろう、あの長大な稜線のごく一部しか歩いていないんだな、まだ吾妻連峰を味わい尽くしてはいないのだ、というやるせなさもおぼえます。

「最短登山口天元台高原」。最短も良いがじっくり歩いてもみたい

 最短ルートで手軽に登れることが、やはり天元台コース最大の利点でしょう。普段なかなか乗る機会のないリフトやロープウェイを楽しめるのも、たまらない魅力です。一方で日程が運行スケジュールに左右されてしまうことは自由に歩きたい向きには大きな枷となりますし、乗り物に頼らず自力で登山道をえっちらおっちら登っていくのも、また山登りの楽しさなのだとおもいます。とりあえず今度は、西大巓まで足を伸ばしてみようとおもいます(おい)


最後にコースタイム。リフトは下りの方がおっかないぞ(おい)


9:17/北望台-9:35-9:39/かもしか展望台-9:48-10:05/大凹の水場-10:29/梵天岩-10:49/西吾妻山-11:00-11:14/西吾妻小屋-11:21-11:46/天狗岩-11:56-12:03/梵天岩-12:24/大凹の水場-12:42-12:50/かもしか展望台-13:03/北望台

下山後即白布温泉へ。十数年ぶりに入った

*1:転ぶと痛い岩場はあるよ!