何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

月山に登ってきた八回目

朝五時前

GR III。PhotoShop Elementsで縮小・切り出し・色補正


 というわけでまた月山に登ってきました。
 10年前に初めて登って以来、月山にはたびたび登っております。しかし、山を覆う雲のおかげで、ろくに内陸方面の眺めが得られたことがまだの一度もありません。なのでかねがね、てっぺんから山形の盆地を眺めたいものだと願っておりました。
 しかも登っているのは夏山じまい直前の9月ばかり。山開きから間もない7月に登ったことも、一度もありません。だったらそろそろガチで機会を掴みに行こうぜということで、天気に恵まれそうな7月下旬のある日、また登りに行ってきたのでありました。

八合目到着。いつもだとこんな場所に車駐められない

 月山はなかなかに気むずかしいです。特に真夏ともなれば、「いくつ崩れて」の句のとおり、上の方は雲に隠れてばかりです。雲の峰がすっかり崩れ去っていなければ、月の山からの展望は望むべくもありません。
 ふもとから見る限り、雲が消えていることが多いのは朝早くか夕闇の頃。だったら早く行って雲が湧く前に登るしかありません。

定番撮影スポット・無量坂入口から見る弥陀ヶ原と鳥海山
今日はいい日になりそうだ。

 というわけで、朝6時前にいつもの八合目に到着。夏山シーズン真っ盛りなら平日の早朝でも混んでそうだなとおもいきや、駐車場にはまだ相当に余裕があります。天下の日本百名山だというのに人気も少なく、あたりは静かな気配。レストハウス近くのけっこういい位置に車を駐めることができました。
 空は真っ青。振りかえれば薄雲の上に鳥海山が鮮明に浮かびます。これはもしやという期待と、雲が出てきたらどうしようという不安を抱えつつ、支度を整えたら登山開始です。

見かけた花いろいろ。エーデルワイスは意外に身近だったことを知る。

 山開きから一月と経たない時期は、見られる花も違います。夏らしいキンコウカはもちろん、代表的な夏の花であるニッコウキスゲ。東北でも限られたところにしか咲かないミヤマウスユキソウ。高いところには、初夏の花であるハクサンイチゲチングルマがまだ残っていたりします。西側が切れ落ちたところでは日本海から涼しい風が吹き上げ、ここ数日の暑さを忘れそうです。
 かくて歩くこと約2時間。そろそろ山頂が見えてきます。

この日の山上からの光景。蔵王・葉山・栗駒庄内平野・朝日に磐梯山等々。
見たかったもの全部見られた。

 一等三角点のあるピークに登ってみると、息を呑みました。それはもうくっきりと、周囲の山並みが見渡せるのです。鳥海山は当たり前。足元には立谷沢川。流れる先には最上川。雲を透かして庄内平野も見下ろせます。こないだ登った金峯山から母狩山に至る稜線をたどれば、鑓ヶ峯と鉾ヶ峯を従えた摩耶山が連なり、ひとつながりの尾根であることが一目瞭然です。
 そして山肌の木々が見えそうなほど間近に朝日連峰が迫ります。以東岳の山小屋は目視可能。その奥にはいまだ残雪の付く飯豊連峰も控えます。足元に目を転じれば寒河江川が東に流れ、向かう先には山形や天童の街並みがおぼろに浮かびます。蔵王と二口山塊はしっかり見え、手近にいちだんとはっきり見えるのは葉山です。その背後には一目でわかる御所山と黒伏山。最上の方に目をやれば、新庄の盆地と神室連峰がなんとなく、さらには栗駒山らしき山まで見えます。
 蔵王からさらに南、吾妻連峰の隣に、山頂付近が大きくえぐれた山が見えました。あの見覚えのある形は磐梯山に違いありません。まさかここまで見渡せるとは。

月山神社本宮で荷下ろし中のヘリ。この晴天でようやくヘリが出せたらしい。

 あまりに天気と眺望に恵まれると、もはや「ありがとうございます」の言葉しか出てきません。一等三角点を離れたあと、さっそく感謝を申し上げに月山神社本宮にお参りしたのでありました。

山頂付近でいろいろ。早起きしたから存分にゆっくり過ごせた

 早く出てきたおかげで、時間には大幅に余裕があります。その後は双眼鏡を取りだし、とっくり周囲の風景を眺めます。月山山頂付近はなだらかな台地状の広場で、東西南北に登山道が分岐しています。それぞれの登山道に少し入り込むと、見える風景も変わります。あちこちに出入りして、これまで7回登っても見られなかった、見たくてたまらなかった光景の数々を、心ゆくまでまぶたに収めたのでありました…その分デジカメのシャッター切るの忘れてたけどな(おい)

三山詣での一団を見送る。月山には山形の文化が息づいている

 そのうち雲が増えてきました。ふもとの気温が上がってきたのでしょう。天候が急変するかもしれず、そろそろ頃合いだろうと山頂を出発。途中佛生池小屋で味噌汁をいただいた以外はまじめに歩き、やはり2時間ほどの歩きの後、午頃に無事八合目に帰還。月山公園線を下りきり、ふもとから月山をふりかえると、いつの間にやら上の方はすっかり雲で隠されていました。いくつ崩れて月の山、です。

下山後月山を見上げるの図。山には厚く雲が積み上がっていた

 山形は日本百名山を6座抱えています。しかしその山域全てが県内に収まっているのは月山だけです。四周八方に広がる県下の光景を目の当たりにすると、まさにここが山形の真ん中にある山であると実感できます。これら6座でもっとも山形らしい山は、間違いなく月山です。


 いつものコースタイム。早出早着は山登りの基本だぜ。


5:47/八合目駐車場- 6:04/弥陀ヶ原出口-6:09/無量坂-7:02/佛生池小屋-7:10/オモワシ山-7:23/行者返し-7:40/大峰-7:48/一等三角点-8:03-10:10/山頂-10:17/大峰-10:31/行者返し-10:45/オモワシ山-10:54-11:08/佛生池小屋-11:54/無量坂-11:58/弥陀ヶ原-12:08/八合目駐車場

締め。Cafe Arxさんのかき氷。かき氷の決め手はやっぱり氷ですよね。