
この稜線を歩いてきました。
GR III。PhotoShop Elementsで縮小・色補正
というわけで先日、母狩山(ほかりやま/さん)に登ってきました。
母狩山は鶴岡の摩耶山を主峰とする摩耶連峰に連なる一座です。「母狩」という一風変わった名は、その昔前九年の役の頃、朝廷に追われた安部貞任・宗任兄弟が、この地に落ちのびた母親を探しに行ったという伝説にちなみます。

というか鶴岡市民の山のひとつ、金峯山の二つ南の山。金峯山から縦走路が通じているので、これを伝って行くことができます。そのむかし初めて金峯山に登った際、この縦走路の存在を知り、それ以来気になり続けていたのですが、例によって機会を作らないまま時だけが経ち、気づけば8年も経っていたという(泣)。とにかく今なら十分行けるだろうという自信がついたので、とうとう決行した次第です。

今回のスタートは金峯山。ふもとからではなく、横着して中の宮から登っていきます。閼伽井(あかい)の清水で水を補充し、神社に道中の無事をお参りしてから、登山道に入ります。

金峯には低山ならではの訳のわからなさがあります。道が錯綜し、適当に歩いているとあらぬところに誘い込まれてしまいます。なにぶん前回登ったのが5年前*1。すっかり道を忘れています。前回と同じ参道のルートを選んだつもりだったのに、いつの間にやら「山伏古道」なるルートに分岐してました(大汗)。
名称から察するに旧くは修験者が行き交ったのでしょう。とはいえ名前とは裏腹に道幅は広く、車でも通れそうなほどによく整備されてます。必要に応じて、山頂神社本殿近くまで車でも行けるようにしてあるのかもしれません。
ともあれすっかり整備された山伏古道のおかげで、早々に金峯山頂直下の分岐地点に到着。ここからいよいよ気になっていた縦走路へと踏み込みます。


このあたりは歩いて楽しい区間が続く
初めて訪ねたときはまだ雪に覆われていた登山道も、6月になればすっかり地面が現れています。歩くのに何も問題はありません。道は摩耶連峰主稜線の上を通ります。にもかかわらずあたりは林なのであんまり眺めはありませんが、その林がブナ林でちょうどいい具合に日差しを遮ってくれるので、なかなか快適かつ楽しく歩けます。なだらかな平場が続くかとおもえば、ピークの前後には急な上り下りもあり。金峯山から45分ほどの歩きで、金峯山一つ南の山、鎧ヶ峯(よろいがみね)に到着です。


鎧ヶ峯にも、安部兄弟にちなんだ伝説が残ります。戦うことを止めた兄弟は、使っていた甲冑をこの山に奉納したのだとか。山頂に曰くありげに置いてあるコンテナには、鎧ではなく、来た人が誰でも休憩に使えるよう、折りたたみ式の椅子が仕舞ってありました。
山頂からは、目の前に月山、眼下には鶴岡と東田川の街並みと水田、ふり返れば歩いてきた稜線と、この縦走路一番の展望が得られます。ただしその分日当たりもよく、突っ立ているだけでも暑いので、あたりの様子をひととおり画像に収めたところで、母狩山に向けて出発しました。


鎧ヶ峯からは、一度稜線を下ります。その標高差は約130m。妙に続く下り坂を、これは帰りが大変だなと下りきると、今度は300m程の急な登り返し。この縦走路では、この区間が最も大変でした。
登り切って平場に出れば、三方境こと谷定方面からの道との合流点が現れます。ここから3分ほど歩けば、待望の母狩山山頂です。



二等三角点も設置されてある。
母狩山の山頂は、中途半端に高い木に囲まれ、あまり眺めがありません。東の方が申し訳程度に切り拓かれ、月山だけは見えているといったあんばいです。山頂広場は真ん中に大きなナナカマドが生えているおかげで、広場と言うよりロータリーのようなありさまでした。

あそこまでの縦走もできるそうな。9時間かかるけど
広場からは、さらに南へと道が続いています。様子を見ようと立ち入ってみると、わずかに下ったところに、眺めの良い場所がありました。設置された看板によれば、名付けて「振り返り展望台」。ここからは鬼坂峠方面の国道345号線や、南の湯ノ沢岳がよく見えました。
往路は来た道を引き返します。この際せっかくだからと金峯山の本殿にもお参りしていきます。直下の一望台で一息ついたら、参道を下って中の宮に帰還。神社に道中の無事を感謝したことはいうまでもありません。



鶴岡市民の山・金峯山には、登りやすくて親しみやすい山、というイメージがあります。そこから少し足を伸ばせば、距離こそ短いものの、なかなか歩きごたえのある道が続いていました。それはやはりあの摩耶山に連なる尾根だな、と納得させるものがあります。

一方ですっきりと見渡せる場所こそ限られているものの、尾根道ゆえ木立の間からは、左右に東田川の田園地帯や小国街道沿いの谷間がなんとなく見え隠れして、里が身近にあることも感じられます。やはり金峯山に通じる親しみやすさも備えています。
母狩山には谷定から登る道もあります。また、さらに南に湯ノ沢岳もあることは、振り返り展望台から確認済みです。今度はこちらにも足を運ばなければなるまいな。
というわけでコースタイム。初めての山はやっぱり楽しい!
8:38/閼伽井の清水-8:40/中の宮- 9:04/縦走路分岐-9:10/竜神池分岐-9:46-9:55/鎧ヶ峯-10:58/三方境-11:01-11:26/母狩山-11:30/三方境-12:23-12:25/鎧ヶ峯-12:52-12:56/竜神池-13:02/縦走路分岐-13:04/湯田川分岐-13:07/金峯神社本殿-13:12-13:21/一望台-13:29/八景台-13:46/中の宮-13:50/閼伽井の清水

冷たくて甘じょっぱうまい
*1:その時の様子は当ブログでネタにしていなかったのだ。