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気がつけば今年はほとんど、登ったことのある山にしか登ってません。これではいかんということで、先日、泉ヶ岳に登ってきました。
泉ヶ岳は、仙台市の北の方・泉区にある山です。その名前から「泉区」やその前身「泉市」の名の由来となったであろうことは想像に難くありません。

中腹にスキー場があるので一目でわかります。
泉ヶ岳の存在自体は、30年ほど前から知ってました。そのむかし仙台で大学受験浪人をしていた頃、当時暮らしていたあたりからたびたび見上げたことがありました。中腹にはスキー場があって、冬になると夜営業の照明が煌々としているのが、仙台の東の果てからもよく見えました。
当時はスキー場のラジオCMをよく耳にしたものです。あれがラジオで盛んに宣伝しているスキー場で、ならばあの山が「泉ヶ岳」だな、といったあんばいで、山の名前を知ったのでありました。
山登りをするようになって、近くを通ったり、他の山から眺めたり、仙台の市街地から見上げたりするたび、いつか登りたいぜと機会を伺っていたところ、だったら今こそその機会だと、おもいきって行ってきた次第です。

オーエンスってなんなんでしょうかね
登山口はまさにそのスキー場です。山形からはあまりアクセスがよくありません。関山峠を越え熊ヶ根で定義方面に曲がり、大倉ダムのあたりで山道に乗り換え、さらに七北田ダムをかすめた先に、ようやくスキー場への道が現れます。あたりは辺鄙な場所なのだろうかとおもいきや、沿線には小洒落た店も建ち並び、なかなかに人の出入りがある気配です。
トンネルを抜ければ、スキー場はすぐそこ。広大な駐車場*1に車を駐め念入りに準備したら、6時半前に登山開始です。

今回歩いてきたのは、水神コースとカモシカコースによる周回ルート。比較的急勾配の少ない水神コースで山頂を目指し、しかる後カモシカコースで駐車場に下ってくるというルートです。他にも登山道は数ありますが、並み居る急登におののいたので、このルートを選びました(おい)

水神コースは、ヒザ川なる小川に沿って道が続いています。このヒザ川は、仙台市北部を横切り仙台港そばに注ぐ七北田川(ななきたがわ)の源流です。浪人やっていた頃、近所の七北田川を、長い橋で何度か渡ったことがありました。その広い川も、ここでは渡渉できそうな小さな沢です。

そして大部分は森の中です。勾配はゆるめ。道は至って広くて明瞭です。先日の栗駒山以上に広くて、ぬかるみもほとんどなし。気持ちの良い区間が続きます。ただし路面は大きめの石がゴロゴロと頭を覗かせるガレ場ですので、足元には絶えず注意が必要です。

北泉ヶ岳への分岐にさしかかると「水神」と刻まれた大きな石碑が現れます。これがコース名の由来でしょう。豊かな森は、豊かな水をもたらします。「泉」の名のとおり、仙台の水源のひとつとして、泉ヶ岳が古くから大切にされてきたことがうかがえます。この森は杜の都を育む森なのです。


このあたりから、道は急な登りへと変わります。ガレているのはあいかわらず。泉ヶ岳は旧い火山のようで、ガレ場はそれに由来しているようです。途中、大岩なる地点を経由し、がんばって登るうち、さいの河原に到着。泉ヶ岳でもいちばん眺めが良いという触れ込みながら、ガスのおかげで展望がありません。山頂からすぐなので、またあとで来ることにします。


山頂も大きめの石がゴロゴロとする広場です。眺めこそありませんが、腰を掛けられそうな石がそこかしこにあるので、休む場所には困りません。
片隅には「泉ヶ岳」の標柱と、小さな祠があります。三角点はそこから北泉ヶ岳方面に入ってすぐ。さらに5分ほど北泉ヶ岳方面に進むと、北側の展望が開ける場所にたどり着きます。

あっちも登りてぇ
ガスのおかげですっきりというわけにはいきませんでしたが、それでも目の前には北泉ヶ岳と、さらにその奥には船形山*2が、雲の上にくっきりと見えました。船形山は手が届きそうなほど近く、以前登ったときに見た山頂の山小屋も目視できます。

泉ヶ岳は船形連峰東の入口です。この尾根道を辿っていけば、船形山を越え、山形側に縦走することも可能です。いつかは自分もあそこまでこの尾根を歩いてみたいものだ、と船形山をとっくり眺めたのでありました。

そろそろガスも切れただろうかと、再びさいの河原に行ってみますと、さっきより少しマシになってました。時々ガスが切れ、見覚えのある蔵王や大東岳に仙台神室といった二口の山並みが遠望できます。ふもとの方には泉区の街並みが、ガスの向こうにうっすらと望めました。

いつの間にやら周囲には登山客の姿が増えていました。めいめい好きなところに腰を下ろし、ストーブを取り出してはコーヒーを淹れたり食事をこしらえたり、仲間内でおしゃべりに打ち興じてたりします。
泉ヶ岳は仙台市内の至る所から見上げることができます。登山口にはキャンプ場や学校向けの宿泊研修施設もあります。多くの仙台市民が幼い頃からこの山に親しんできたのでしょう。仙台市民が愛して止まない「市民の山」であることがひしひしと感じられました。



やはりガレ場とやたら現れる「お別れ峠」の標識が目に付いた(おい)
心ゆくまで船形山を眺め、茶も淹れてゆっくり休んだところで、カモシカコースで下りに取りかかります。名前のとおり、やはり急でガレてます。勾配が緩くなると、程なく景勝地岡沼と兎平にさしかかりますが、やはりガスのおかげで、見えるはずの山頂部分はすっかり隠れていました。

かつて見上げた場所から見下ろす感慨にふける。
スキーのリフト乗り場が見えてきたら、ふもとまではもう少し。リフトには乗らず、律儀にゲレンデを足で下ります(おい)。
ゲレンデからふと南の方を眺めると、かすんでおぼろげながらも、かつて自分が浪人生活を送っていた宮城野区の果ての方が見えました。あれから三十余年を経て、ようやくあのとき眺めた山とスキー場にやってきたのだと感無量でありました。

ふれあい館では軽食も食べられる。
泉ヶ岳は手頃ながら歩きごたえもあり、風光にも恵まれ、想像以上に楽しい山でした。山は他にも様々なルートで登頂可能です。1回だけではもったいないので、また機会を作って登りに行きたいものです。
概して道はよく整備されていますが、分岐が多いです。案内標識は充実しているものの、地図やアプリ等を利用して、要所要所で道を確認しながら歩いた方が無難でしょう。あと道は大部分がガレてます。足元にも要注意です。
いつものコースタイム。とりあえずお別れ峠が気になるな(おい)
6:40/駐車場-6:53/水神コース入口-7:05/関口-7:25/浜田久子慰霊碑-7:30/水神平-7:40-7:46/水神様-8:05/大岩-8:15/さいの河原-8:28/山頂-8:40-9:10/船形連峰展望地-9:19-10:14/さいの河原-山頂-11:00-11:11/岡沼-11:17/兎平-11:25/リフト上駅-11:29-11:35/旗頭展望台-11:58/駐車場
