何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

亀割山に登ってきた


GR III。PhotoShop Elementsで縮小
2枚目のみPower Shot A620



 一度登りたい欲を満足させても、一週間もすればまたどこか登りたい!と言い出すものです(おい)。休みだというのに朝からぱっとしない空模様で今日も山さ登れねぇのが…と鬱々としていたところ、昼から天気が回復するというので、午時、亀割山に登ってきました。

前回の様子。酷暑のさなか、暑さ対策の重要さをおもい知った。

 亀割山こと亀割峠は、かつて一度歩いています。そのときは真夏のクソ暑いさなか、続く急登に息も絶え絶えになりながら峠にたどり着いたことや、瀬見の共同浴場で一風呂浴びたことなどをよくおぼえています。共同浴場が「せみの湯」に建て替わるずいぶん前の話です。
 前回は休場と瀬見温泉を往復しました。今回はそれとは別の道、かねてから狙っていた長尾コースを歩いてきました。長尾コースは長尾トンネルの手前から水上林道に分け入り、射撃センターのあたり、かつての新庄峠付近から、峠に続く尾根筋を辿って山頂を目指すルートです。

入ってすぐのところの登山道。おもいのほか状態が良くて驚いた。

 このルートの存在はその頃から知ってました。しかし、最上山岳会監修の地図では「破線」*1で表記され、当時の分県登山ガイドには「こちらには入らぬこと」*2とまで記述されている有様でした*3。なので関心はありつつも、永年「まだ俺には無理だ」とおもいこんでいたところ、先日「やまがた百名山」のサイトを見れば、長尾のコースがしっかり記載されているのを発見。あれから整備されて状況が変わったのではないかと判断し、だったら行ってみようと足を運んだのでありました。気づけばあれから17年だよ!(大汗)

道中のブナ林。山の売りは義経伝説だけではなかった。

 結論から述べれば、歩くのに全く困らない状態でした。道跡は極めて明瞭。勾配もおおむね緩やかです*4。草ヤブが繁っている場所や、足元が悪いところはいくつかあるものの、全体的な状態は良好。なかなか歩きやすいです。少々気をつけさえすれば、迷うことはないでしょう。数は少ないながらも、要所要所に案内標識も設けてあります。「やまがた百名山」指定後、手が入れられたのかもしれません。
 驚愕したのはブナ林の豊かさです。コースは多くの部分がブナ林を通過しています。立派な大木や奇木がいくつも存在し、見応えは十分。亀割峠にブナのイメージが全くなかったため、意外に立派な林に目を喜ばせました。

峠からの展望と山頂の標柱。昔はもっとよく見えたのだがなぁ。

 峠と山頂は展望の良さが評判です。今回も楽しみにたどり着いてみると、あいにく、17年前ほどの眺めは得られませんでした。峠から見えたはずの瀬見温泉は茂みで隠れてましたし、三角山のアンテナ塔もすっきりとは拝めません。刈り払いの手が入っていないか、17年の間に草木が育ってしまったようです。
 そのかわり、コースの途中にある展望地点からは、東側の様子がよく見えました。眼下には小国川に臨む瀬見温泉と、その奥の前森牧場や禿岳周辺の奥羽山脈の山並みが望めます。

展望スポットからの眺め。ちょうどコースの中間地点にあたります。

 この周辺は、7月の豪雨で大きな被害が出ています。その影響が心配されましたが、意外や意外、登山道そのものは崩れた箇所もなく、大きなダメージは受けていないようでした。むしろ登山道に至る水上林道の路肩が崩れていたり、荒沢林道入口から分岐する道がごっそり消えていたりと、こちらの方が激しく傷んでいました。

崩れた道路。この先に駐車場があるはずだったのだが。

 ブナの森は水を蓄えると言われています。この森が登山道を守ってくれたのでしょう。「亀割」の名の由来である大亀は、この山を割るためによほどの力を使ったに違いありません。亀割峠と言えばなんといっても義経伝説ですが、それだけには限らない、亀割山の異なる側面を見たおもいでした。

道中見かけたヤマボウシの実。食えるらしいがまだ試してない。

 コースタイム。少々まじめに歩いて往復3時間足らず。今田商店さんでつけ麺食べた後だったが十分余裕で行ってこられたぜ(おい)


12:12/新庄峠-12:19/長尾登山口-12:47/603mピーク-12:54/展望スポット-13:24/休場コース合流地点-13:27/山頂分岐-13:29-13:33/山頂広場-13:35/山頂分岐-13:37/休場コース合流地点-14:07/展望スポット-14:13/603mピーク-14:37/長尾登山口-14:45/新庄峠

下山後福田園さんに寄る。スパイス緑茶うまいぜ。

*1:踏破にそれなりの技術が必要となる一般的ではない難易度高めのルートはこう表記されます。

*2:採り上げていたのが休場口・瀬見温泉口ルートなので、長尾口ルートと間違えないようにするための配慮だったのだろう。

*3:当時インターネットで見た登山レポートによれば、あまり整備されてはいなかったようです。

*4:たまに急な登りや下りは現れます。