GR III。PhotoShop Elementsで縮小
気づけば二ヶ月山に登ってません。天気がいい日は別の用事で駆り出され、時間がある日は梅雨や荒天(号泣)。そんなこんなで山に行けない日ばかり続くと、いいかげん気が狂っちまうぞということで、かろうじて保ちそうな天気を恃み、久々に山に行ってきました。用事爆発しろ。
行ってきたのは鳥海山北麓の獅子ヶ鼻湿原です。今年の新緑の頃あがりこ大王を見に行った際時間の都合で棚上げになっていた湧水を、夏の暑い盛りに見に行きたいという欲求と、久々なので足に負担がかからないところにしとこうという配慮です。
雨予報こそ出ていませんでしたが、象潟付近はときおり小雨が降るという有様でした。ここまで来て中止かと危ぶんでいたら、中島台にさしかかる頃には雨が止み、胸をなで下ろします。雨降りの山歩きは濡れるし危ないし景色は見えないしと、荒井はあまり楽しくありません。
今回廻ってきたのは前回棚上げにした湿原の西部分です。あたりはブナやナラ・ホオノキといった広葉樹の大木が鬱蒼と茂る森です。湿原と呼ばれるだけあって森の中は湿度が高く、少し歩くだけで汗が噴き出てきます。
そんな森をどんどんと歩いていると、ところどころに水が豊富に湧き出す池や、湧き水が奔流をなす沢や水路が現れます。こんなところのそばはたいがい涼しくなっていて、近づくと一気に汗が退いていきます。鳥海山由来の湧水は水底も見通せるほど清冽で、水面からは白く冷気が立ち上り、見るからに冷たそうです。暑いお盆の最中に来たのは、まさにこの一時の涼のためでした。
あがりこ女王と鳥海マリモの繁茂地を見物した後、再びあがりこ大王の元に足を運びます。お盆だからか前回とは打って変わって、森には見物客の姿が目立ちます。この森が鳥海山の名所の一つであることがうかがわれます。
こんなお盆の時でも、森では維持管理の作業の方が、ところどころで木道の補修をしていらっしゃいました。荒井の目の前を歩いていた作業員の方は、角材片手にすたすたと速い足取りで木道を進んでいったかとおもうと、ときおり足を停めては角材をその場でのこぎりで適当な長さに切り出し、手慣れた様子で傷んだところに打ち付けあっという間に補修を片付け、再びすたすたと歩き出します。この一連の手際が鮮やかで格好良くて、おもわず見惚れてしまいました(おい)
そういえば前回来たときも、木道用の大きな材木を担いだ作業員の方が、森の中に入っていくところを見たものです。木道は湿原の保全と、安全確保には欠かせません。しかし湿気っぽい森の中では、傷むのも早いのでしょう。木道には絶えずこまめに手が入れられているのです。見物客が湿原散策を楽しめるのはこうした絶え間ない地道な手入れのおかげなのだなと、頭が下がりました。
例によっていちおうコースタイム。標準はいろいろ見て回って2時間20分ほどらしいです。
9:28/駐車場-9:31/湿原入口-9:37/赤川-9:46/あがりこ大王分岐-9:56/出つぼ-10:16/岩股川上流点-10:21/あがりこ女王-10:23/コケの群落-10:34/あがりこ大王分岐-10:36/燭台ブナ-10:40/炭焼窯跡-10:41/あがりこ大王-10:48/あがりこ大王分岐-10:56/赤川-11:03/湿原入口-11:06/駐車場