何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

月山に登ってきた

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 この夏モンベルのイベントでいただいたリフトタダ券を使うべく、月山に登ってきました。月山といえば山形県民なら誰でも知っている出羽三山の最高峰です。山形の真ん中にあるゆえ目にする機会も多く、身近な印象はあるものの、これまで実は一度もてっぺんを踏んだことがありません。小さい頃に家族ドライブ等で八合目レストハウス湯殿山入り口等まで行ったくらいで、思えばそれから数十年。タダ券様々です。


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 今回の眼目はリフトに乗ることですので、まずはリフト乗り場のある西川町姥沢を目指します。そこまではよく整備された車道が通じているので、全く苦労はありません。このあたりは志津温泉や弓張平公園もあれば、月山の自然を活かしたアウトドアレジャーも盛んで、人の出入りが多い様子です。
 午前9時に駐車場に到着してみると、月曜日にもかかわらず、すでに三十台近い数の車が停まってました。見れば札幌から近畿まで、全国津々浦々のナンバープレートの見本市です。さすが百名山というべきか。
 駐車場を出てすぐのところでは、環境保全協力金の名目で入山料200円を徴収してました。そこから一歩きしたところが目当てのリフト乗り場で、山上駅まで20分ほどです。


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 今回はリフトの山上駅から姥ヶ岳に登り牛首を経由して山頂に行くというルートをたどります。さすが有名山岳地、登山道には立派な木道や石畳が敷かれてあり歩きやすくなっていますが、標高2000メートル近い高所ゆえ、気温対策は必要です。ふもとに比べて肌寒いため、フリースやウィンドブレーカーが必須です。
 本当は先月中に登りに行く予定でした。せっかく行くなら眺めが良さそうな頃合いを狙っていこうぜと天気待ちしたところ、しばらくぐずついた天気が続くうち、タダ券の有効期限と標高ゆえの早い冬の訪れが近づいてきたので、行けるうちに行くことにしたらこの有様(泣)。見事に山頂付近にガスがかかってやがりました。
 目にする機会は多いというものの、一点の曇りもなく月山が山頂まで見える日というのは、意外と少なかったりします。ふもとが晴れていてもさえ、雲に隠れてさっぱり山体が見えないなんてことはあたりまえ。芭蕉の「雲の峰いくつ崩れて」は、山形県民の実感です。
 月山は花の名所としても有名で、姥ヶ岳付近は特に花が多いそうですが、夏が終わった今だからか、百花繚乱という有様ではありません。そのかわり早い紅葉が始まっていて、ところどころの木々が、ぼちぼち赤や黄色に変わっていたのでありました。


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 牛首から急な岩場を登り切れば、山頂まではもうすぐです。山上駅からここまで荒井の足で1時間半少々。山頂は月山神社本宮の境内で、神職の方々が詰めてました。お参りするには500円を払ってお祓いを受ける必要があります。このあたりはさすがに寒いようで、受付ではもう灯油ストーブを焚いてました。
 神社の裏手はちょっとした広場です。ここで休憩している方々が多かったので、荒井もここでザックを下ろして昼飯にします。広場はちょうど風裏になっているようで、問題なくアルストが使えました。湯を沸かして昼飯の支度をしていると、ときどきガスが途切れては、ちょっとだけ展望がひらけました。すっきりと全部見えたときにはどれだけ見事なものでしょう。


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 ガスや雲がちではありましたが、天気にはそこそこ恵まれました。登山道からの眺めはすばらしいものがありました。南にはカルスト台地のような谷が広がり、その先には月山湖や大井沢が見えます。雲がなければその奥に朝日連峰も望めるのでしょう。ふと帰り道で振り返ってみると、ガスが途切れて山頂が一望できました。
 何度も目にしていながら、なかなか登ったことがなかった月山ですが、登ってみると、今まで登っていなかったことがもったいないくらいでした。眺望を狙って、天気が良いときにまた登ってみたいものです。