GR DIGITAL IIIで撮影
例によって突然ですが買ってしまいました。ガソリンストーブ。
今使ってるスノーピークのギガパワーWGが製造終了になって、
しかも保守用部品も手に入れづらいという状況になり、
メンテナンス体制の先行きが心配になってきたので、
そろそろ新しい山用ストーブが必要だろうかと新調を検討していたのですが、
そんなときに地元のアウトドア用品屋が「店内全品20%引き!」なんて
思い切ったセールを始めやがりまして、気がつけば手にしていたという次第です。
買ったのはMSRのドラゴンフライ。またガソリンストーブなのは荒井の趣味。
一般に火力調節が不得意とされるガソリンストーブであるにもかかわらず
とろ火が使えるということで定評のある機種です。
火力調節のありがたみはギガパワーで思い知っているので、
選択肢はこれかSOTOのMUKAストーブ、オプティマスのNOVAぐらいしかありません。
メンテナンスのやりやすさと構造のシンプルさ、長く使えるかどうか、
そして何より自然満喫屋の品揃え(おい)から、これになったのでありましたとさ。
さっそくてきとうな河原に繰り出して、試運転してみました。
ギガパワーとの最大の違いは、プレヒートが必要なとこです*1。
プレヒートというのは燃料を十分気化させるため、
あらかじめ少量の燃料を燃やしてバーナーを温めておく作業のことです。
プレヒートが必要な機種を扱うのは実はこれが初めて。
サッカーボール大の火が上がる、失敗すると点かない、
場所によっては放火魔と間違われる等々の
噂を聞いているので、点火はかなり緊張しました。
操作も説明書をよく読み、手順を一つ一つ確認しながらです。
盛大に煤を出しながら真っ赤に燃える火に不安になりつつ待つことしばらく、
炎が小さくなった頃合いを見計らい再び燃料バルブを開けると、
煤だらけの赤い火が、青い炎になって勢いよく燃えだします。
評判どおりこのドラゴンフライ、最大火力にすると轟音を上げます。
火力は十分で、5分もせずにコッヘル半分ほどのお湯が沸きます。
五徳は広く、手持ちのソロクッカーがかろうじて乗っかる程度。
昼飯の黒い豚カレーうどんに湯を注いだらすかさず火力を弱め、
残った湯で「じゃがりこ」を煮てマッシュポテトにします。
弱火にすると轟音は少し落ち着きますが、それでもギガパワー以上の音がします。
人が多いところでは気を遣いながら点火することになりそうですが、
荒井は人がいないところでしか使わないので、なんの問題もありません(おい)。
持ち運びやすさならカートリッジ式の山用ガスストーブ、
使い勝手ならカセットガスの卓上コンロ。
その点で面倒な組み立てや手順が必要なガソリンストーブは断然分がありません。
それでも液燃ストーブにこだわるのは、使う面白さが半端ないゆえ。
趣味の道具なのですから、何も効率を求める必要はありませんし、
面倒な手順も火を扱うための作法と思えば、面白いものに変わります。
扱うのに技術と知識と習熟が必要なところが、火への畏怖を呼び覚ますというか、
火とは本来怖いもので、扱うならきちんと向き合わなければならないのだということを
考えさせられるのがよくて、自分はガソリンストーブを使ってるのだと思います。
今回はかんたんに湯を沸かしただけですが、今度は米を炊いてみる予定。
*1:もっとも、ギガパワーも本燃焼に先だって、点火モードでジェネレーターを温める必要があるので、あんまり変わらないような気もする