また一本プログラムを打ち終わったのでご紹介。
今回もまたベーマガ1991年6月号掲載のMSX用ゲーム「ムササビ影さん」です。
ベーマガの名物編集部員影さんが、なぜか自然に還るべく森に行ったはいいけれど、
そこで邪魔をするムササビ大王と戦う羽目になったという
はちゃめちゃなストーリーがあるんですが、
それはさておき、本作も前回紹介した「ONE KEY SKI」同様、
単純操作が売りのワンキーアクションゲームです。
キャラクターにPCGを使わず、ノーマルキャラクターの色を
変えているだけというのが潔いです。
プレイヤーは影さんになりかわり、画面両側にある木に隠された
ムササビ大王の宝物を集めていきます。
影さんは常に木を上り下りしており、プレイヤーにできるのは、
適当なタイミングで互いの木に飛び移ることだけ。
飛びついた先に「?」マークがあれば宝物が出現し、再び飛びつけば取ることができます。
すっかり取れば面クリア。宝物にはスコアが増えたり、無敵になるなどの効果があって、
これをうまく使いながら全3面のクリアを目指します。
「宝物を狙って飛び移る」「大王を避ける」。
やることはこれだけなんですが、
単純ながらなかなか思い通りにいかないもどかしさが実に心憎い。
スピーディな展開もあいまって、スリリングなプレイが楽しめます。
ただしこのゲーム、難易度は結構高いです。
その原因はなんといっても、やられやすいルールのせい。
影さんはムササビ大王にぶつかれば即死です。
宝物を取るのに失敗すると影さんの体力が減りまして、
これがゼロになってもやられます。
影さんの移動速度が速くて狙って飛び移るのさえけっこう難しいのに、
さらに宝物を取るには同じ場所に、二回正確なジャンプを決めなければならず*1、
ジャンプを繰り返すうち、何も取れないまま衰弱死することもしばしば。
さらに残機制ではないため、やられたら即ゲームオーバーとなってしまいます。
このスピード感や緊張感が面白さでもあるんですが、
即死を無くするとか、ジャンプし放題にするとか、宝物の数を減らすとかして、
もう少し難易度を下げた方が取っつきが良かったのではとも思います。
もっとも、やられても悔しくてついついリプレイを重ねてしまったこともまた確か。
アイディア重視のシンプルゲームには、大作ゲームにはない魅力があります。
*1:しかも各面宝物は10個出現する。