何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

杢蔵山に登ってきた




 おもい立って杢蔵山(もくぞうさん)に登ってきました。
 杢蔵山は新庄市の東にある標高1027mほどの山です。新庄は時に古名で「葛麓(かつろく)」と呼ばれるのですが、それはこの杢蔵山を「木葛山」とも綴ることに由来します。






 昔から何度も見上げて気になっていたわりに、これまで一度も登ったことはなし。隣の三角山までは行ったことはあるものの、それが7年前。今回は山屋キャンプ場付近から戸前川上流に沿って山頂を目指す「一の滝コース」で登ることにしました。
 源流部までは基本的にダラダラとした登りです。しかしながら道は痩せ、崖っぷちを危うく渡るところや徒渉箇所もいくつかあり、気の抜けない道中が続きます。
 源流部からは稜線上まで続く少々きつい登り道。ガイドブックでは「初心者でも安心して登れる山」と評されてますが、人里離れた深山であることに違いはありません。途中、道か沢か判りづらい場所に遭遇した時には「本当に初心者向きかよ!」と突っ込みたくなりました(おい)






 写真を撮ったり、ところどころになっている木イチゴをつまみ食いしたり、休憩したりでゆっくり歩いたため、杢蔵山荘に着いたのが登り始めて2時間弱。山頂まではここからまた少し登ることとなります。
 ところが天気が悪かったのか、山荘付近から山頂までは、東から次々に立ち上るガスのおかげで展望が利かないという有様。
杢蔵の売りの一つ、新庄盆地の展望は、ガスの合間から切れ切れに見えたり隠れたり。東に見えるだろう向町のカルデラは、厚いガスに阻まれさっぱり見えません。
 ひとまず山荘で持参のおにぎりの昼食にした後、山頂に向けて出発。ガスのおかげで展望こそなかれどもそのかわり、山頂への途上にあるブナ林が神々しく見えました。





 ガスの中を歩くことしばらく、ようやく念願の山頂に立つことができました。山頂直下は高山植物ヤマルリトラノオの群生地としても知られています。毎年7月下旬が見頃とのことで、今はようやく咲き始めたばかり。あと数日もすれば満開となるのでしょう。





 帰りは少々寄り道して、一の滝を見物していきます。
 登山道からは滝への探勝道が伸びてまして、ついでに見に行けるようになってます。落差は数メートルほど、真夏のさなかでも水量豊かに激しく流れ落ちています。
 滝を見物して涼んだ後、登山口に戻ったのが午後3時少し前。杢蔵山は新庄の市街地から10キロと離れておらず、わりと気軽に行ける距離にあります。なのに四季折々の豊かな自然が楽しめるのがその魅力なのだとか。折を見てちょくちょく登ってみようかとおもいます。