何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「HYPER MACHINE」




最近某所で昔のパソコン雑誌やレースゲームが話題に上ったのでこんなプログラムをご紹介。
基本ベーマガポプコムを毎月購読していた荒井ですが、
機会は少なかったものの、気になる記事やプログラム等が載っていた場合、
他の雑誌を買ったり借りたりということもありました。
中でも徳間書店の「プログラムポシェット」は、何度か手にしたものです。
今回紹介する「HYPER MACHINE」は、プログラムポシェット掲載のレースゲーム。
残念ながら掲載号はすでに手元になく詳細は不明ですが、
わが家に残っている貴重なプロポシェ掲載作品のひとつです。





内容は当時風のオーソドックスなレースゲーム。
MSXの打ち込みプログラムなので、順位の概念は当然なし。
画面上下から現れる敵車を淡々と避けつつ、一定時間内に一定距離を完走すればクリアです。
敵車と衝突したりコースアウトすればクラッシュ。
残機は無制限ですが、ペナルティとして残りタイムが引かれる「ザンファイン」式。
タイムがなくなればその時点でゲームオーバーです。
一応全6面を走破すればエンディングとなりますが、
難しくて自力ではそこまでたどり着けませんでした(泣)
グラデーション付きの文字や、スプライト2枚重ねで描かれたレーシングカー等、
カッコいいグラフィックが目を惹きます。


現在でこそ順位の概念を盛り込んだレースゲームはあたりまえですが、当時はまだまだ少数派。
「規定タイム内に完走させる」「追い抜いた敵車数をカウント」等の方法で、
抜きつ抜かれつのレースらしさを演出していたわけです。
打ち込みプログラムの場合はそれさえなくて、
ただ単に「上から降ってくる障害物を避け続けるゲーム」であることも多かったものでした。






処理速度やスペック、スケール等々、
オールマシン語のシステムや高スペックなアーケード基板には
とてもかなわないMSX-BASICの打ち込みプログラム。
しかしその制約の中で、いかにそれらしく作るか、
いかに面白いものを作るかがプログラマーの腕の見せどころです。
本作の場合、途中にトンネルや橋といった地形を設けることで変化を付けています。
トンネルに入ると周囲がまっ暗になり、コースアウトの危険が高まります。
橋の上では幅員が狭まり、操作に細心の注意を払わなければなりません。
このあたりはタイトーの「グランドチャンピオン」を模倣したと思われますが、
コースが変わるという要素を盛り込んだおかげで、「HYPER MACHINE」が、
魅せるレースゲームになったことは間違いありません。