何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「ジーザス」やった




そういうわけで、ここしばらく「ジーザス」で遊んでました。
「ジーザス」はエニックスが20年前に8Bitパソコン用に出していたAVGです。
映画的手法を採り入れた演出や物語手法が大いに評価され、「スナッチャー」と並び、
80年代後半を代表するAVGとして、パソコンゲーム史に名を残しています。


「ジーザス」で遊ぶのはかれこれ15年ぶりなんですが、
流れるような物語展開はもちろん、謎解きによって伏線を回収させるところや、
最後の推理のところなど、今遊んでも見事なものです。
エンディングにかけての展開は特に鳥肌もん。
本作の肝は「効果的な演出」「理不尽さのない内容」「物語とゲームの両立」の三つだと思うんですが、
それぞれがしっかりできているだけに、名作と呼ばれているのでしょう。


当時のAVGは、一つの場面ごとに適切なコマンドを入力して謎を解いていくものが多かったのですが、
不条理な謎解きや陰険な言葉探しトラップを盛り込んだ作品が増えた結果いささか食傷気味、
純粋に物語やゲームが楽しめないと、ジャンルとしては没落しつつありました。
その中にあって、物語面でもゲーム面でもそれまでにない完成度をもって送り出された「ジーザス」は、
ARPGにおける「イース」同様、その後のAVGのありかたを決めたと言ってもいいのかもしれません。
余談ですがFCの傑作AVGメタルスレイダーグローリー」も、
「ジーザス」に少なからぬ影響を受けたものと思われます。


惜しむらくは、エニックスがドラクエ以外の復刻に乗り気でないこと...*1

*1:「軽井沢」は携帯電話で遊べるけど