何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

念願の万世大路




ここしばらく山形の峠巡りに精を出している荒井ですが、今日はとうとう栗子峠に行ってきました。
栗子峠は米沢市福島市の県境にある峠で、明治期に初代山形県令、三島通庸によって開削されました。
昭和40年代に現在の国道13号線バイパスが開通するまで使われていた道が廃道として残っておりまして、
廃道マニアには「万世大路(ばんせいたいろ)」の呼び名で知られています。
山形に近代の息吹を吹き込んだ峠ということで、ぜひ行ってみたかった場所なのですが、
今回念願叶って行ってきたというわけです。
さすが万世大路だけあって、崩落は少なく、道跡もしっかりしており、迷うということはなかったのですが、
そのかわり倒木や流水によるでこぼこがかなりのもので、登るにつれどんどん状態が悪くなるというありさまでした。
途中では間近に野生の猿の群れが現れました。それだけ道が自然に帰りつつあるということかもしれません。
2時間ほどかけて鞍部にたどり着きますと、目の前に大きな隧道が二つ現れます。
ひとつは明治期に三島通庸の肝煎りで作られた初代栗子隧道、もうひとつは昭和初期の大改修で作られた二代目栗子隧道です。
山中に新旧二つが並んでいるわけですから、その存在感にはただ圧倒される他ありません。


万世大路は福島側もあるのですが、今回は山形側を見てきた時点で時間切れとなりました。
こうなると福島側が気になります。