何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「KNIGHT SCRAMBLE」




またMSX用プログラムを打ち終わったのでご紹介。
今回はまた月刊マイコン87年10月号掲載のパズルゲーム「ナイトスクランブル」です。
内容は題名どおりの桂馬跳び*1パズル。
主人公を操り、敵をかわしながら王冠をゴールまで持っていけばクリアです。






「桂馬跳び」を取り入れたゲームは多数存在します。
その多くは名作「ナイトムーブ」のように、主人公が桂馬跳びで移動するものなんですが、
本作が他と違うのは、桂馬跳びをするのが敵であるということです。
主人公が動くごとに敵も桂馬跳びで移動します。
ですからプレイヤーは敵の軌道を読みつつ、桂馬跳びの目に入らぬよう、
移動しなければなりませんで、そこが頭の使いどころであり、
ゲームの面白さとなっています。





このゲーム、シンプルながらいろいろ見どころがあります。
自分が一歩動けば敵も一歩動くというターンベース風のシステムゆえ、
じっくり考えて遊べるのがまずいいところ。
面数は全部で31。31面をクリアすればエンディングですが、
面セレクト機能で好きな面から遊べるようになってますので、
オールクリアにあまり意味がありません。
31面で飽き足らなければ、自分で好きな面を作って遊べるコンストラクション機能付き。

気楽にちょっとだけ、でもディープに遊べる工夫がうれしい作品です。

*1:厳密にはチェスのナイト移動

「PLANET EARTH」




 またMSX用プログラムを一本打ち終わったのでご紹介。今回紹介するのは前回の「BOMBROBO-R」同様、「月刊マイコン」掲載「PLANET EARTH」です。
 掲載号は1985年5月号。ちょうど「グラディウス」が世に出る直前に発表されました。内容はその「グラディウス」以前の代表的STGスクランブル」を強く意識しただろう横スクロールSTG。作者さんは「ゼビウスを作るつもりがスクランブルもどきになった」と言ってますが、まぁ、実際のところは「スーパーコブラ」を作ろうとしたんだと思います。






 「ベーマガ」と異なり「マイコン」にはマシン語のダンプリストが載ることもしばしばでした。本作はBASICのメインリストと長大なマシン語リスト2本からなります。そのおかげもあって動作速度や操作性はまずまず。もちろんオールBASICのSTGとは比べものにならない快速動作です。攻撃ヘリ「フライング・クルセイダー」を操り、最終面・エリア8に控える暴走コンピューターDEMOS-2001を破壊するのが目的です。





 フライング・クルセイダーには対空砲と対地ミサイルが搭載されており、空中物と地上物の撃ち分けが必要です。
このあたりは「ゼビウスを作るつもりが」の名残でしょうか。
 一見の見た目こそ地味ですが、このゲームの特に優れているのはそのステージ構成。グラフィックであんまり変化を付けられないせいか、出現する敵のパターンや地形でゲームに変化を付けています。このパターンがバリエーション豊かでテンポが良く、遊んでいて飽きません。
 移動が8ドット単位だったり、弾の連射が利かないのは玉に瑕ですが、敵の出現パターンがそれに合わせて作られているので、そんなに大きなストレスにはなりません。
 「ザコ戦がつまらないSTGは面白くない。面白いSTGは敵との応酬そのものが面白い。」というのは荒井の持論ですが、まさにそれを良い意味で再認識させられました。







 いかにも当時らしいフォントやデモ、効果音、雰囲気抜群のネームエントリーに至るまで、まさに古き良き時代の良作STG
 発表された場所がマイナーすぎて知名度こそほとんどないものの、これは入力して損のない作品だと言えましょう。
 最後になりましたが、リストを提供してくださった村上様にこの場を借りてお礼申しあげます。

論理演算子

今の会社でこのまま10年、20年と働いている姿がイメージできない
そもそも今の会社がいつまで続くか心配だ
かといって、どう会社を選べばいいのか分からない
転職や独立を考えているが、キャリアアップできる自信がない
仕事が忙しすぎて、趣味や家庭は後回し
やりたいことと言われても、これといってない
先行きが不透明で、誰もがこんな悩みを抱える時代だからこそ、仕事を従来とは異なる2軸で考えるべきだと主張するのが、『「キャリア未来地図」の描き方』(原尻淳一、千葉智之著、ダイヤモンド社)。いったいどういうことなのか? 第1章「キャリアは『ライスワーク』と『ライフワーク』の2軸で考える」に目を向けてみましょう。ここではまず、ビジネスパーソンを苛む多くの限界が紹介されています。




1OR0の結果は1になるのに、1AND0の結果は0になるんだぜ荒井でした。


なんというか、この手の「ライフハック」は、
あたりまえのことを今さら大発見のように言われてもなぁという気はします。

「BOMB ROBO-R」




今回は少々珍しいプログラムのご紹介。
月刊マイコン1986年号12月号掲載のアクションゲーム「BOMB ROBO-R」です。
「マイコン」は電波新聞社より刊行されていたパソコン雑誌です。
ベーマガの姉妹誌的な存在で、記事は少々高度なコンピューター技術の話題が中心。
ゲームやBASICの話題に飽き足りない、ベーマガより若干高い年齢層を対象としていました。
しかしベーマガの圧倒的な人気と知名度と比べいまいち地味な存在です。





その「マイコン」にもプログラムコーナーがありまして、
数は少ないながらも、いくつかゲームプログラムが掲載されていました。
時にベーマガには決して載らないマシン語ダンプリストを含む
プログラムが掲載されることもあり、そこがベーマガとの違いともなっています。
さておき本作「BOMB ROBO-R」はそんな「マイコン」誌掲載のプログラム。
自機を操り幽霊を避けつつ、画面内の墓石を全て爆破すればクリア。
爆弾は攻撃や壁の破壊にも使えますが、爆風に巻き込まれると自分もやられてしまいます。
壁の壊し方や墓石を壊す順序を考えるのはもちろん
うまく幽霊を誘き寄せるキー捌きのテクニックも必要です。
けっこうシビアな誘き寄せが必要な割に、操作性や画面の広さの問題で、
敵がかわしづらいのが難点です。
内容は当時らしいオーソドックスな固定画面パズルアクションゲームですので、
可もなく不可もなくといったところでしょうか。
リストの短さとわかりやすさ、面改造のしやすさはグー。





このゲームがちょっと変わっているのは、スプライトの使い方。
通常MSXのこの手のゲームは、BG表示にPCGを使うものなんですが、
本作ではどういうわけか、墓石をスプライトで描画しています。
ですので幽霊が横一列に並んだりすると、水平方向表示制限に引っかかって、
墓石が消えてしまう怪現象が起こります。
PCGを使わなかった理由は不明ですが、動作速度や
表示のやりやすさ等を考慮したのでしょう。

「SARNUS」




 またプログラムを一本打ち終わったのでご紹介。今回はログイン87年5月号掲載のRPG「SARNUS」です。
 作者は拙サイトでもおなじみログイン常連投稿者の高原保法さん。核戦争後の惑星サーナスを舞台に、謎のならずもの集団A.R.T.と戦うSFものです。プレイヤーは賞金稼ぎで戦車乗り。懸賞金目当てに荒廃した世界を巡るという内容は名作「メタルマックス」に通じるものがあります。しかし登場はこちらの方が4年ほど先(!)。それだけでも意欲作であることはわかることでしょう。





 当面の目的は三つあるA.R.Tの基地を殲滅すること。基地攻撃には強力なミサイルが必要ですが非常に高価。装備を調えるためには敵を倒して賞金を稼がなければなりません。強い敵ほど賞金額も高いので、効率よく賞金を稼ぐには、戦車の強化が欠かせません。
 敵との戦闘は、画面内で弾を撃ち合うアクションゲームです。これが本作の売りの一つとなってます。





 「強い敵を狩りたいなら、キャラを強化するために敵を倒しまくろう」というのは、CRPGではよく見かける、戦闘の効果的な動機づけのひとつです。さっきの「メタルマックス」や「ウィザードリィ」等の作品にもみられるものです。
 そうした要素は本作にも見られるのですが、この作品については高原作品にしては異例と言うべきなのか...はっきりいっていまいちなのです。
 理由はなんといってもゲームバランスの悪さ。戦車の強化には多額の賞金が必要となるにもかかわらず、敵一体から得られる賞金はごくわずか。それだけならまだよいのですが、その周囲のゲームシステムが足を引っ張っているのです。





 セーブの仕様は不完全です。記録すると所持金の100の位以下が斬り捨てられます。レベルを上げるには100勝しなければならないんですが、5回敵から逃げると下がります。そしてせっかく戦車を強化しても、それにつられて敵もそれ以上に強くなります。

 このおかげで「セーブ&ロードを繰り返し、弱い敵を選んで戦い、着々と蓄えを作り、装備を調え強くなったところで一気に逆襲。強い敵を狩りまくる」といったCRPGの常套戦術が使えず、ヌルゲーマーお断りの難易度となってしまってます。
 得られる賞金の割に一戦闘が長いところや、マップが1画面に収まるゆえ、プレイに変化がないのも大きな欠点。戦闘と報酬と成長のサイクルがうまくできていると、CRPGの戦闘は格段に面白くなるんですが、本作はそこがちぐはぐです。せっかく面白い要素やシステムがもりだくさんなのに、生かし切れていないところが非常に残念です。
 「稼げない」「成長しない」「倒せない」。戦闘が楽しくないCRPGは面白くありません。


 本作のリストは随所にバグが散見されます。それまでの高原作品はにない試みや新機軸を多数盛り込んだ意欲的な作品であることは間違いありません。ただし新しいことをやろうという気持ちが先走りすぎて、詰めが甘くなったのかなという気もします。高原さんには悪いのですが、遊ぶなら獲得賞金額を増やすとか戦車強化の限界値を上げるなどのプログラム改造をして、難易度を変えることを強力にオススメします。

TEIJIRO動画作ってみた


主だったTEIJIRO作品が手元に集まったということで、
せっかくだからカタログ動画みたいなものを作ってみました。
TEIJIRO作品は日本のMSXユーザーにはそれなりに有名ですが、
その割に振り返られるのはファンダム時代の有名作ばかりで、
それ以外はスクリーンショットはもちろん、動画もないという有様です。
そこで資料がわり、こういうものを作っておくのも一興だろうと思ったわけですが、
これを機にTEIJIROさんの消息が分かったりしないものかしら荒井でした。

「トリトーン」ROM版の不具合




MSXのROM版「トリトーン」をROMイメージファイル化して、
blueMSXやopenMSX等で走らせると、最後の最後、
ペイ・バルーサの部屋でバグるという現象が起こるんですが、
最近その問題に関する情報提供がありましたのでここでご報告します。


VENOMさん(http://www1.bbiq.jp/venom/)が突き止めて教えてくれたことによれば、
件のバグは、RAMのE453h番地の状態によって引き起こされます。
この番地にはペイ・バルーサの動作(おそらくは武器の状態)を管理する
数値が入っているのですが、プログラムはこの内容が00hであることを
前提として組まれています。
ところがRAM初期値の状態が機種によって異なるにもかかわらず、
プログラムで肝心の初期化をしていないため、
この初期値の下一桁がFhとなる機種で走らせると、
エラーが出て止まってしまうとのこと。
これは実機でも同様で、荒井のXDJでは見事にバグりました(泣)。


その対策としてblueMSXの場合、デバッガ機能を使うのが一番簡単でしょう。
ゲーム起動後、デバッガでE453hに00hを書きこめば、件のエラーを回避できます。
トレーナー機能でE453hに00hを書きこむチートコードを追加するのもよいでしょう。
この場合、起動後一度だけチートをオンしたら、あとは無効化しときましょう。
チートをオンにしたままペイ・バルーサの部屋に入ると
剣の数が増えるという別のバグが発生します。





さて、肝心の実機で動かす場合はどうすればいいか。
手っ取り早い対策としてはソフトリセット、つまりリセットボタンが使えます。
いちどBASICを起動し、コマンドラインから「POKE&HE453,00」を実行したあと、
スロットにROMを挿してリセットボタンでゲームを始めればOK。
XDJで試した場合、この方法でいけました。
リセットボタンがない場合は、ボタンを押す代わり「DEFUSR=0:A=USR(0)」でも
大丈夫だと思いますが、こちらはまだ試してません。
電源を入れた状態でROMを挿しますので、
例によって破損の恐れがあることもいちおう書いときます。


最後になりましたが原因を突き止めてくださったVENOM@VNMさんに、
改めてこの場を借りてお礼申しあげます。


拙サイトの攻略記事にも対処法を追加しときましたのでご参考に。
http://psyzans.com/Testsite/Tritorn/Tritorn_02.html