またプログラムを打ち終わったのでご紹介。
今回はポプコム88年4月号掲載のアクションゲーム「スーパーイレバン」です。
プログラムリストはオールマシン語で12ページという長大なものですが、
OCRの読み取り精度がやたら高かったため作業がはかどり、
わずか4日で入力が終わりました(笑)。
内容は古き良きスタイルの横視点型固定画面アクション。
怪生物「イレバン」を操り、ユーモラスで個性的な敵キャラどもをかわしつつ、
画面内に散らばるケーキやプリンといったお菓子をすっかり食べてしまえば面クリアです。
ただしイレバンはその名の如く「入れ歯」をはめており、
これが外れると物が食べられなくなるばかりか、
敵に奪われると、かわりにお菓子まで食べられてしまいます。
そこでどうするかといえば「脱糞」。
イレバンはウンチをひりだすことができまして、敵がこれを踏むと入れ歯を落としてしまいます。
それを回収すれば再びお菓子が食べられるようになります。
さらにゲームを複雑にしているのが「口臭」と「満腹度」なるパラメータ。
口臭はお菓子を食べるごとに増加し、増えると敵の追いかけがきつくなります。
満腹度は脱糞等のアクションをするのに必要ですが、
完食時に一定数以上が残っていないと、面クリアできません。
この手の追いかけアクションゲームには、アイテム一つで
攻防が一転する面白さがあるわけですが、本作ではそこに捻りを加えています。
口臭が酷いと敵をかわすのが大変になり、
入れ歯を奪われっぱなしだと満腹度が上げられず、
満腹度が低ければ行動できない。
「入れ歯」「口臭」「満腹度」という要素が独特で、
これらに絶えず気を配りながら立ちまわらないと、なかなか先へ進めません。
実際のルールはもっと複雑で、アイテムの効果や敵の特徴、弱点等々、
最初に覚えるべきことが多くて、この手のゲームとしては取っつきがよくありませんが、
一度ルールを覚えてしまえば、その巧みさに唸らされることでしょう。
コーヒーブレイクと称して、4面ごとにちょっとしたデモが見られるのも、
当時の固定画面アクションゲームらしいです。
個人的にはステージエディット機能がぜひ欲しかったところ。
ゲームは全16面。アクション性の強い面もあれば、パズル色の強い面もあり、
両方が必要な面もありと、各面手強いステージ揃いで、遊びごたえは十分以上です。
ただしコンティニュー機能*1やスコアによるエクステンドは一切なし。
高次面に進むほど、腕前に加えて運が必要な部分も出てくるため、
自力クリアは難しいと思います。そこが大きな難点。
荒井はblueMSXのステートセーブ機能を使いながらプレイしたのですが、
それでもオールクリアはかなり骨が折れました。
本作は元々シャープX1用のゲームで、それを作者自らがMSXに移植したものですが、
キャラクターやアイテムの追加等々、大幅なグレードアップが加えられ、
「スーパー」を冠する由縁となっています。「ズルポコ大作戦」と同じパターンですな。
荒井はルールの面白さとそれを活かすステージ構成が特に印象に残りました。
より面白くしようという工夫が全体に溢れているのも好感度大。
あまりに難しいので万人には勧められませんが、
歯応え抜群のゲームらしいゲームが好きな人間には堪えられないものがある作品です。
*1:その後作者西田さんがコンティニュー機能のやりかたを公開してくださいました。左押しながらスタートでゲームオーバーになった面からのリスタートが可能です。