何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「3 dimensions」

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かつてのマイコン少年だけにワイヤーフレームには興奮せざるを得ない。

 ひさびさにベーマガポプコムのプログラムを入力して気分が落ち着いたので、またMファンのプログラムを入力しています(おい)。今回は89年11月号から「3 dimensions」です。
 題名のごとく、本作は3D表示にこだわったSTGです。内容は至ってシンプル*1。画面奥から迫ってくる角柱を撃ち落としましょう。撃ち漏らしたらゲームオーバー。撃墜するほど角柱のスピードが上がり、どれだけ撃墜できるかを競います。
 カーソルキーでエイミング、スペースキーでビーム発射。ビームは画面中央に向かって飛んでいきます。柱の「てっぺん」を中央に捉えたタイミングでスペースを押せば撃墜可。照準がないのでちょっと判りづらいのがなんですが、1画面プログラムですからこんなもんでしょう。ちなみにMSX2用であります。


 MSX2ですから、当然ポリゴンなんてものは使えません。3D表示にはワイヤーフレーム、つまりLINE文を使っています。
 ワイヤーフレーム表示では書いたら消してまた書いて...ということを高速に繰り返す必要があります。この間隔が長いと描画の一部始終が見えてしまって気になるものですが、本作ではMSX2のページング機能を使ってこの問題を解決しています。裏画面に描画しておいて、終わったら表画面に転送して一気に書き換えるという方式ですな。MSX2はBASICレベルで強力なページング機能が扱えるため、この程度の処理ならお茶の子さいさいです。
 無骨な角柱がコマ落としのごとく画面奥からずんずん迫ってくる様はなかなかの迫力。照準を動かせば、当然の角柱の見え方も変わります。走らせてみれば「おお! MSX2で3Dやってるよ!」という感慨が(おい)。

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撃ち漏らしてゲームオーバー。16点の壁が厚い!

 ゲームとしては、飽くまで「視点」を動かすところが味噌です。たとえば画面左にある角柱を中央に捉えるには、カーソルの「左」を押して、角柱を「右」に動かすことになります。同じくカーソルの「上」を押せば、角柱は「下」に移動します。
 ところが視点を動かしていると頭で判っていても、焦ってくるとそのうち角柱を操作していると錯覚しがち。このギャップが操作の面白さとなっているところも見逃せないでしょう。

*1:1画面プログラムの紹介でよく使ってるなこの文句。