久々にポプコムのプログラムを入力しました。最後に入力した「ドリームランナウェイ」が2018年(汗)。というわけで3年ぶりのポプコム作品は86年8月号掲載「BLOCK MAZE」です*1。
ジャンルは固定画面パズルゲーム。邪魔なブロックをどけつつ、スライムをかわして鍵を手に入れ、制限時間内に扉から脱出するのが目的です。よく言えば定番の、悪く言えばありふれたパズルですな(おい)。ついでに主人公の名前はポンタ君。ローソンでよく見かけるタヌキではありません。
変わったところといえば、障害物にブロックを押しつけることで、ブロックを手前に引き寄せることができます。必須のテクニックながら、狭いところでは引き寄せたブロックに挟まれて死ぬという諸刃の剣。動かす際はあらかじめ場所を確保するのが肝心です。
86年当時は「倉庫番」や「フラッピー」等の固定画面パズルがまだ大人気だった時代です。ですので投稿ゲームプログラムでもこうしたパズルは非常によく見かけるものでした。この「BLOCK MAZE」も同類のパズル同様、解き方を詰めていくおもしろさと「ありきたりさ」を備えていますが、ギミックの豊かさで秀でています。
本作には様々なアイテムが出現します。クリアに必要な鍵はもちろん、ゴールとなる扉を出現させるもの、ボーナスアイテム等々。中でも文字の書かれたブロックは、青いブロックに放り込むと様々な効果が得られます。本作のパズル要素は畢竟、これらアイテムをいかに回収するか、そのためにどうブロックを動かしていくかに集約されます。ステージは全12面。カラフルで描き込まれたグラフィックは見た目に楽しく、BGMこそないものの、ジングルや効果音が彩りを添えます。次の面はどんなアイテムが登場するのか、どのような仕掛けで解くのか。各面多様なギミックを活かした面が揃っており、これらギミック見たさに先に進みたくなる魅力があります。
しかしながらこの作品、作りの粗いところも目立ちます。まず主人公ポンタ君の操作性の悪さ。移動が遅いわりにキー反応が微妙に良かったりするので*2、ちょっとした指先の誤りでブロックに潰されて死ぬことがしばしば。もっとも、これはまだよいのですが、それ以上に気になるのはギブアップ機能がないことです。
この手のパズルゲームでは、動かし方にしくじって「詰み」に陥ることがよくあります。にもかかわらず、本作ではミスしてリスタートになっても動かしたブロックやアイテムは初期状態に戻りません。また配置をリセットしてやり直す方法もありません。ですのでハマったら時間切れを待つなり自殺するなりして残機を潰すしかありません。ゲームオーバーになってもコンティニューはなく、1面からやり直しとなります。試行錯誤はパズルゲームに必須の行程ゆえ、迅速にリトライできるギブアップ機能やコンティニュー機能がぜひ欲しかったところです。
また、リスト自体にバグがあるのも気になるところ。ワークエリアの初期化が不十分で、そのまま実行すると、機種によってはエラーで止まります*3。高得点を上げると面クリア時のリザルト画面が桁あふれを起こして表示が乱れることもあります。どちらもかんたんに直せたので、下に修正方法を貼っときます*4。
こんな具合に「ありきたり」なパズルではあるものの、ギミックの楽しさが非常に魅力的。問題点こそあれど、なかなか楽しめるいい作品です。デバグがてら3周したぜ(おい)*5。