何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

金澤山に行ってきた

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三角点・金澤山。一次増大点にあたる一等三角点だ。
 疫病で家に籠もりがちで運動不足になっているため、ちょっと外歩きでもしようと、金澤山に行ってきました。マイナーな山歩きなら人と会うことも少ないから、罹患のリスクも少ないだろうという腹づもりです(おい)。
 「金澤山」とはあまり聞き慣れない地名でしょう。事実、山というより三角点の名前です。国土測量の基準となる基線が新庄の塩野にある関係で、この近辺には一等三角点が多数分布しています。金澤山はそれら一等三角点のひとつ。存在こそ知っていたのですが、わかりやすくたどり着ける場所にはなく、見に行くのは長年の課題となっていたのでありました。


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陣ヶ峰に至る陣峰ライン。こちらは快適な山歩きがたのしめます。
 場所は東山の新庄市体育館の東方、陣峰ライン沿線の山中にあります。標高184.1m。体育館からは直線距離にして400mくらいでしょうか。行くには最寄りのピーク手前まで陣峰ラインを進んだところから、山中に200mほど分け入らなければなりません。申し訳程度の目印リボンこそ結んでありましたが、基本的には道なき藪の中です。


 三角点は件のピークから北西に伸びる支尾根上にあります。尾根の上を歩いて行けば見つかるんでないかと藪を漕いでみますが、それだけでは容易に見つかりません。これでは埒があかないといったん遊歩道に引き返し、地図を広げ、コンパスのリングを回して目標物の方向を定めた後、もう一度探してみることにしました。


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件の支尾根を進む。地獄に仏。藪漕ぎにリボン(おい)
 それにしても道なき山中を突き進む心細さといったら。それなりの装備も調えて、おおまかな現在地こそ把握しているものの、もしやと気が気ではありません。遊歩道からの200mがやたら遠い遠い。周囲は見渡す限りの藪だけで、背後にあるはずの遊歩道さえ見えません。来し方を見失わないよう何度も振り返りつつ、コンパスを頼りにひたすら前進したのでありました。
 かくして藪を分け入ったところ、青色のビニルテープで目印された区画に到着。そこが目指す一等三角点・金澤山のありかでした。


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 藪だらけの山中といえ、周辺は草も少なく小さな標柱も立ち、見捨てられていないことが判ります。標石にはくっきりと「一等」の文字が認められ、まごうかたなき一等三角点・金澤山であることを示しています。見つけたときはあまりのうれしさに「やったぜ!」と何度も叫んでしまいました(おい)。


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狙い通りに到着。ひさびさにコンパスらしい使い方したな。
 その後はリボンとコンパスを頼りに陣峰ラインに復帰。無事探索を終えたのでありました。山中に入っていたのは正味30分ほど。そんな長い時間ではありませんが、地図読みとコンパス使いのよい練習になりました。


 金澤山の三角点はご覧のような山中にあります。葉っぱが茂りだすと見通しがきかなくなるだろうことも予想されます。見に行くのであれば、それなりの用意はお忘れなく。