何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「JUMP-JUMP」

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最近こういう画ビョウめっきり見かけなくなりましたな
 その昔、コンピューターでのスクロール表示は高等技術でした。ただし下から上に流すタイプのスクロールは、テキスト表示機能のみでかんたんに実現できたので、これを利用したスクロールゲームは数見かけたものです。というわけで本日ご紹介するアクションゲーム38作品「JUMP-JUMP」も、そうしたスクロールゲームです。


 解説によれば、本作は「反復横跳び運動のゲーム版」です。プレイヤーの目の前には画ビョウだらけの道が4本並んで続いています。横ジャンプで道を飛び移りながら、画ビョウを踏まないようどんどん突き進んでいきましょう。一つでも画ビョウを踏んだら即ゲームオーバー。当たり判定がちょいとシビアなので、なるべく画ビョウの分布がまばらな地点を選び、ひきつけてからタイミング良く飛び移るのがプレイのコツです。てか靴ぐらい履けよ!(おい)



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踏んづけても頭にぶつかってもゲームオーバー。
俺の知ってる反復横跳びと違う(おい)。
 やはり画面がスクロールすると臨場感が違います。スピードは速めでキー反応も迅速。ジャンプするとヒョコヒョコとそれらしい音がするところなんかもわかりやすくてよいです。テンポが良いのでやられてもついつい再実行*1してまた遊んでしまう楽しさがあります。


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学研「ジャンプマウス」。まさか30年以上の時を経てのパクリ疑惑浮上。
 ところでこの作品、以前どこかで遊んだおぼえがあるなぁとおもったら、学研の「学研パソコン大百科」収録プログラム*2ジャンプマウス」にそっくりなのです。
 「ジャンプマウス」は荒井がMX-10を買った直後に入力してさんざん遊んだという因縁の作品(おい)。リストを見比べてみると、同じ書き方をしている部分が多々見受けられます。発表時期は「JUMP-JUMP」が84年で、「ジャンプマウス」が86年ですから、おそらく学研*3がプログラムを流用したなと(汗)。
 ただし何から何まで同じというわけではなく*4、「ジャンプマウス」になってアレンジされた部分もあります。キャラクターはネズミに変わりましたし、一番の違いは画ビョウがヘビになったところです。「JUMP-JUMP」の画ビョウは(分布の疎密はあるが)基本ばらばらに散らばっています。一方「ジャンプマウス」のヘビは、連続した障害物の塊として迫ってくるので、より素早いジャンプが必要になっています。
 昔のゲーム&ウォッチで言うところの「Aゲーム」と「Bゲーム」ぐらいの違いですが、なかなかの好アレンジで、結果的にはどちらもそれぞれ面白いゲームに仕上がっています。

*1:ゲームオーバーになるとプロンプト画面に戻ってしまうためリトライするには再びRUNを実行する必要があります。

*2:80年代中頃、「科学」の付録として付いてきた小冊子です。

*3:厳密には学研からの依頼でプログラム作成を請け負った部署だろう。

*4:「ジャンプマウス」はリスト短縮のためか、マルチステートメントを多用して、一行により命令が詰め込まれています。