何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「ベルリンの壁」

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 今から30年くらい前まで、ドイツは西と東に分かれてました。分かれてた頃に製造された荒井のモンブランには「W-GERMANY」の刻印があったりします*1、それはさておき、当時ベルリンに存在していた「ベルリンの壁」は、自由主義社会主義の対立と、乗り越えがたい断絶の象徴と見なされていました。それゆえあれこれ想像をかきたてるモチーフとなっていた感があります*2
 今回ご紹介する「アクションゲーム38」収録作「ベルリンの壁」は、そんな壁越しの攻防をモチーフとした作品です。


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社会主義帝国が壁を壊して攻めて来るという設定。
そもそも社会主義に皇帝っているのかね。
 本作はアクティブな撃ち合いゲームです。敵が壁の向こうから攻撃してくるので、こちらも撃ち返して撃破してやりましょう。隔てる壁は2枚。敵の攻撃は壁を突き抜けて飛んできますが、こちらの攻撃は壁に遮られます。そこでプレイヤーはまず弾を撃ち込んで壁を壊し、空いた穴から敵めがけてさらに撃ち込んでやらねばなりません。敵もこちらを狙いつつチョロチョロ動き回るので、当てるのにコツが必要です。
 そのコツとは敵の射線上に立つこと。狙わせて軸が合ったところに、こちらも攻撃をお見舞いしてやるというわけです。飛んできた弾は紙一重でかわすなり、先に撃たせて隙を作るといった作戦も必要です。
 シンプルではありますが、シューティングゲームならではの避ける緊張感と当てる快感が味わえるとともに、命中させるためあえて危険を冒さざるを得ないところに、ゲームに欠かせないリスク&リターンの駆け引きが見られます。


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「かべ」。同じく壁越しの攻防戦ゲームだが、
内容は後発のこちらの方が凝っている。
 さて、このゲーム。やってみると以前ここでご紹介した月刊マイコン掲載作品「かべ」に似てるなぁとおもいました。「ベルリンの壁」の方が先なので、厳密には「かべ」が似ていると言うべきですが、果たして「かべ」の作者さんが本作を参考にしたのかは不明です。


 ところで本作から5年後。その後の東欧諸国自由化の波を受け、ベルリンの壁は崩れてしまいます。今こういうゲームを作るのだったら、どこの壁になるんでしょうかね。

*1:念のため確かめたらローライ35は「MADE IN GERMANY」だったよ。

*2:サイボーグ009」でハインリヒがサイボーグになった下りもそうでしたっけ。