何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

熊野長峰登ってきた

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GR IIIで撮影。Photoshop Elementsで縮小


 というわけでこないだ熊野長峰に登ってきました。熊野長峰鶴岡市郊外のJR羽前水沢駅の南方、大谷地区にある里山です。山頂付近は貴重な動植物が数見られる湿原になっていて、市の天然記念物に指定されているほか、東北自然歩道の探勝道なども整備されています。標高は430m。登りやすい山ということで、これなら近所をあれこれ廻ったついでに寄れそうだということで行ってきた次第です。今期開業直後の琴平荘で腹ごしらえをし、由良の白山島を一周して足慣らしが済んだところで、12時過ぎに登山開始です。


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 スタートは大谷林道終点の貯水池です。池の前はよく手入れされた広場で、車を駐めるのに苦労しません。道こそ地形図に載っていませんが、要所要所に方向を示した標識が設置されてあるので、これを頼りにしながら登っていきます。里山は道が錯綜していることが多く、ここも例外なく作業道等がところどころから分岐しているので、気をつけないと迷いそうです。
 それ以外はおおむね良好。よく手入れされ勾配も緩いので、30分ほどの歩きで無事山頂に到着しました。


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山頂からの光景。海の見える山っていいですよな


 山頂の四阿からは北側の展望が開けます。眼下には稲刈りを迎えて黄金色に染まる庄内平野が広がり、アンテナの並ぶ高館山と荒倉山がそこから立ち上がります。奥にはおぼろげながら鳥海山が大きく控え、左手には日本海も見渡せます。山の陰に隠れつつ、目をこらせば三瀬の琴平岩さえ見えました。さっきまであそこでラーメン食ってたよ!(おい)


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龍頭ヶ池(上)と龍尾ヶ池(下)。動植物の観察適期は春と夏のようです


 山頂の先には湿原を通って登山道に戻る道が延びています。湿原の沼は細長い範囲にわたって分布する形にちなんで「龍頭ヶ池」「龍尾ヶ池」と呼ばれていますが、今の時期は水も少なく、池という感じはありません。とはいえ山頂付近に水がある山として、水神の宿る山として崇敬されてきた歴史があるのだそうです。確かに貯水池が登山口でしたし、そばにはミズバショウの群落もあります。熊野長峰は古くから水分の山として、ふもとの田畑を潤してきたのでしょう。


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水沢地区から見る熊野長峰の図。国道7号線からよく見えます。


 山頂から30分ほどで湿原を一周し、再び登山口に戻ってきたのは、1時半過ぎでした。登山道そのものはわかりやすいんですが、登山口へのアクセス道である大谷林道が少々わかりづらいです。案内表示こそ随所にあるものの枝道が多く、登山口まで4キロほど距離があるので、果たしてこの道でいいのかと不安になったという。山よりもこの林道こそ最大の難所でありました。古い地形図には表記されていないので、地図は新しいのを持っていったほうが安心でしょう。


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琴平荘の中華そばあっさり。山は三瀬からも近いです。