何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「立体迷路ゲーム」

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 本日も入力し終わったプログラムネタ。昨日と同じくポケットバンク「グラフィックスマル秘伝」収録作品より「立体迷路ゲーム」です。


 立体迷路というもんだから、てっきりワイヤーフレームで描画された3D迷路ゲームなのかとおもいきや、内容はトップビューの迷路ゲームです。目的は迷路から脱出すること。出口にたどり着けばクリアです。平面なのでマップは白日のもと。それなら簡単だろうとおもいきや...


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 当然ながらそう簡単にはいきません。迷路は全6層で、出口があるのは6階です。各階は点在する階段で複雑につながっています。この上下のつながりを把握しないと脱出は不可能。複数階から構成される迷路、ということで「立体迷路」の題名があるわけです。


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 イヤらしいのはその上下移動のための階段が、マップに表示されていないこと。プレイヤーは手探りで階段を見つけなければならず、ゲームを難しくしています。
 ただしマップは固定で、階段の位置も変わりません。ですので何度も遊んでマップを覚えると、スムーズにクリアできるようになります。見えないことで、少し難しいくらいの丁度よい程度の難易度になっています。
 「グラフィックスマル秘伝」らしく、画面表示にはMSXのページング機能を使っています。各ページにあらかじめ各階のマップを書き込んでおき、移動するごとにアクティブページを切り替えて表示する、という技です。この方法でマップの瞬間表示を実現することで、テンポよく遊べるようになっています。


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 「階段が見えなくて難しい!」という場合も心配無用。プログラムを弄れば階段が表示されるようにできます。階段は「見えないキャラクター」としてマップ上にプロットされているので、このPCGを書き換えれば、見えなかった階段が現れるという寸法です。階段が見えるとかなり遊びやすくなりますが、それでも階層間のつながりを探らなければ先へ進めないので、クリアにはひとしきりの試行錯誤が必要でしょう。


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 見事脱出に成功すれば、クリアタイムが表示されてエンドです。シンプルながら、遊びやすく工夫された作りなので、なかなか楽しめる作品です。
 MSXの使いこなしは、畢竟VDPの使いこなしに行き着くという感があります。「グラフィックスマル秘伝」は1984年、MSX黎明期に出版された本です。その時期にすでにMSXのVDPの使い方を指南した本が出て、けっこう高度なことを紹介していたことは意外な発見でした。