何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

白森に登ってきた

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 というわけで話は昨日の続き。念願の黒伏山登頂を果たしましたが、これで終わりではありません。黒伏山の北には白森という山があって、ガイドブック等では、こっちの方が眺めがいいからせっかくならここにも登ろう、てなかんじで紹介されています。さらに白森からは柴倉山方面に登山道が伸びているので、往路を通らずJANGLExJUNGLEことスキー場前に戻ってこられるというのです。ならば行くしかないだろうということで、こちらの方に足を伸ばしたのでありました。


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 黒伏山からは緩やかな尾根道が続きます。途中のぬかるみ地帯で少し道がわかりづらくなった以外は道跡もしっかりしています。林の切れ間からは目指す白森がぼちぼちと見えますが、歩けど妙に近づいた感じがありません。振り返れば先ほど歩いてきた黒伏山の稜線が続いています。
 歩くうち山頂直下に到着。最後は急坂にしがみつくような登りが待っています。「白森は女性的な山容」とたとえられますが、きっとツンツンした女なんだろうとおもいます(おい)。


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 11時20分に白森山頂到着。広場や三角点があるでもなく、標柱がある以外は山頂らしからぬ山頂です。評判の展望は、遮るもののない大パノラマが広がるというものではありません。夏の淀んだ空気と雲のおかげか、西の方の眺めはいまひとつでした。


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 一方東側は、船形連峰の山々が手に取るようです。これから歩く柴倉山に至る尾根や、その奥の仙台カゴに白髪山、そして船底をひっくり返したような御所山の姿が控えます。去年は今いるところを、あの船底のてっぺんから眺めていたわけです。


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 山頂で湯を沸かし、カップ麺の昼食。汗をかいただけに塩辛いスープが腹にしみます。お手軽に撤収を済まし、12時ちょうどに山頂を出発。銭山・福禄山を経由する尾根を進みます。「やまがた百名山」のサイトでは、この区間が「刈り払いされておらず危険」と紹介されていますが、歩いたところ、この区間がもっともよく整備されていました(おい)。道は明瞭で迷うこともなく、勾配も緩やか。おまけにちょくちょく黒伏高原や船形連峰の眺めが広がるんですから、このへんが歩いて一番楽しかったのでした。


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 13時00分に福禄山到着。壊れて倒れていた標柱をデジカメに収め、いよいよ帰路に就きます。ここから柴倉山に至る尾根を10分ほど進むと分岐点が現れます。スキー場前に戻るには、ここの分岐を西へ。このあたりはブナの美林を堪能できますが、案内標識の類いがほとんどないので、慎重に道跡を追わなければなりません。


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 しばらく歩くと林が切れたところから、展望が開けました。本日何度も目にしたJANGLExJUNGLEはもう間近です。振り返れば仙台カゴや最上カゴのあたりは雲がかかりつつありました。森の中に見える点は柳沢小屋でしょう。


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 帰路の難所は最後にやってきます。高低差350メートルにわたる急坂です。村山野川と赤水沢の間の狭い尾根をひたすら下っていかなければなりません。下りは登り以上に足に負担がかかりますし気も遣います。


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 かくして下り続けて約40分、大きくなった瀬音がゴールが近いことを教えてくれます。そして石伝いに村山野川を渡渉すれば仮設橋はすぐそこ。橋を渡って無事駐車場に戻ってきたのは14時50分。休憩込みで6時間半ほどの行程でした。


 案内標識が充実し、至ってよく整備されている御所山・観音寺コースと比べ、黒伏山は概してそれほど整備されていません。ですので御所山より標高が低いにもかかわらず、こちらの方が難易度は高いようにおもわれます。全行程道跡は付いてますが、地形図を持って行った方が安心でしょう。


 夏休みも真っ最中のお盆だというのに、登っている最中に遭遇したのは、駐車場にいた柴倉山に行くというおじさんだけで、それ以外の人間とは誰一人見かけませんでした(汗)。山上から、スキー場前の道路を車やバイクが山の方に向かっているのは何度も目にしましたが、やはりメジャーな御所山の方に行ってしまったのでしょうか。まぁ、混んでる山より空いてる山の方が歩いてて落ち着きますけど!(おい)