何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「性」

 さいきん、「~性」という言い回しはあまり使わないほうがいいんでないかと用心しております。


 この「~性」というのは、セックスとかジェンダーのことではなくて、「ゲーム性」「物語性」「人間性」等々、「~としての性質」「~としての特徴や性格」程度の意味を付け加える接尾辞のほうです。
 「ゲーム性の高い釣り」「物語性が濃厚な作品」といった言い方は方々で耳にしますが、それがどういうことを表すのか、具体的にどんなことを指し示すかといえば、これが意外とはっきり言い表せません。
 そういうはっきりしないものを指すためにこういう言い回しが使われるのかもしれませんが、曖昧な理解では論拠として弱いし議論も成り立たないだろうということで、「~性」という言葉は多用せず、別の言葉で言い換えられるならそうしたほうがいいんでないかとかんがえているわけですよ。


 はっきりしないものをなんとなくそれらしく言い表せるのは便利ですが、そういうところに落とし穴があるものです。