何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「SAVE OUR DENCHU」

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 2月になってしまいましたがようやく今年初のプログラムの入力と動作確認が終わりました。今年一発目のプログラムはベーマガ92年9月号掲載の「SAVE OUR DENCHU」。「DENCHU」といっても忠臣蔵のアレではありません*1。電信柱のことです。


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 一言で言えば本作は陣取り要素のある追いかけアクションゲームです。舞台は川越市。主人公は犬に憧れるタヌキ。画面内の電柱に小便を引っかけ縄張りを広げ、川越を制圧するのが目的です。しかし当然敵キャラが登場して、さまざまに妨害してきます。
 その敵キャラというのが、余所者を快く思わない土着のダックスフンドだったり、前世は電柱だったと信じ込んでいる合唱マニアだったりで、まぁ、ぶっ飛んだ設定です。おそらく作者さんの内輪ネタなのでしょう。
 ダックスフンドはタヌキをしつこく追いかけ回すばかりか、電柱に小便を引っかけなおして縄張りを奪い返しにきます。合唱マニアは音符こと「飛び道具」で攻撃してきます。単体ならばどちらもそう難しい相手ではありませんが、両者が束になってかかってくるので、うまいこと避けたり立ち回ったりしなければならないわけです。
 こいつらをかいくぐり、一定数の電柱を縄張りにすると面クリア。面が進むほど縄張りにすべき電柱の数が増え、難しくなっていきます。


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 ゲームはMSX2専用です。マップ表示に1ドットに1色が使えるSCREEN5を使用し、さらにモード2スプライトのおかげで、見た目はなかなかにきれいです。しかしゲーム自体は正直、あんまり面白さを感じませんでした(おい)。
 理由は大きく二つ。展開が単調なことと、爽快感がないこと。面パターンは一つだけで、次の面に行ってもやることは大きく変わりません。さらにマップは1画面で狭く、基本逃げ回るだけですから、プレイに奥行きがなく、ストレスが溜まります*2。アクションゲームであるにもかかわらず、操作性がよくないのも気になります。たとえばマップのバリエーションとか、敵に一杯食わせられるようなフィーチャーが欲しかったです。


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 やはりベーマガプログラムなので、リストの書き方は素直で、どこで何をやっているかはわかりやすいです。全般的にベーマガプログラムには、初級者に向けたプログラミングの手本、アイディアをプログラムとしてどのように実装するかの教材、という性格がありました。本作はおそらく、ベーマガだからこそ採用された作品なのでしょう。

*1:それは殿中

*2:まとまった電柱を縄張りにすると高得点というフィーチャーはいちおうあるのだが、要する労力の割にあんまりうれしくない。