何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「まわる・まわる」




 「ハイドライド3」記事が一段落して時間に余裕ができたので、入力済みプログラムの動作確認をしております。というわけで今回ご紹介するのはベーマガ92年9月号掲載「まわる・まわる」です。
 作者沢田さんは「MSX・FAN」の常連投稿者でもあります。そのせいか雰囲気がやけにファンダム作品っぽいです(おい)。





 さておき本作はシンプルなワンキーゲーム。主人公「ふにょ」をあやつり、画面内の鍵をすっかり拾うのが目的です。ふにょは絶えず画面内をすべってまして、スペースキーを押すたびに時計回りに90度すべる向きが変わります。それ以外の操作は不能! 潔いですな。なお、壁やブロックにぶつかっても向きが変わります。
 ゲームはライフ制。散らばる針山や敵にぶつかるとシールドが1減り、0の状態でミスするとゲームオーバーです。ところどころにある赤い箱はアイテムボックス。中にはボーナスやシールド回復といったお助けグッズもあれば、ブロックや針山といったお邪魔キャラもありまして、有利になったり不利になったりします。






 時間が経つと敵キャラがどんどん増えます。ためしにどこまで増えるのかやってみたら、画面内がうじゃうじゃに。しかし本作は敵の移動にマシン語を使っているおかげで、これだけ増えても挙動は至ってスムーズ。操作がもたつくということもありません。
 なお、アイテムボックスには攻撃アイテムも入ってます。取ると一定時間無敵になって、敵や針山を蹴散らせますので、増えすぎても安心です(おい)。





 この手のワンキーゲームはアマチュアゲームプログラムでは古くからおなじみのものです。1991年の時点でも、もはや出尽くした感がありまして、目新しさはありません。とはいえ本作は操作性もテンポもよければ敵をやっつける爽快感もありまして、感触は至って良好。この手のゲームでは相当に出来が良い方に入るでしょう。
 特によいとおもったのは、ブロックや外壁にぶつかってもダメージにならないところです。この手のゲームでは障害物に当たるとミスとかペナルティというのがよくあるんですが、これがプレイする側にしてみれば相当なストレス。気持ちよく動かしたくても、すぐミスになって全然気持ちよくないという不満はつきものでした。
 その点本作は、ダメージを受けるのを敵と針山だけにして難易度をぐっと落とすことで、ワンキーで狙って動かす楽しさやもどかしさが存分に楽しめるようになってます。ちょっとしたことですが、このちょっとのおかげで面白さが跳ね上がっていることは見逃せません。さすがゲームを作り慣れた常連投稿者らしい良作です。