何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

またまた葉山に登ってきた

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 というわけでこないだちょっと触れたとおり、葉山に登ってきました。葉山はこれまで2回登ってますが、わりと身近にもかかわらず豊かな自然と抜群の展望が魅力です。昨今山形県が選定した「やまがた百名山」の推薦公募では、月山や蔵王鳥海山といった日本百名山を抑え、推薦数堂々の一位に輝きまして、その結果には荒井も異存がありません。
 葉山は紅葉もいいという評判は聞き及んでいます。雪が降る前にちょっと高い山で「登りたい欲」を満足させたいという思惑と、あわよくば紅葉狩りも楽しもうという算段です。


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 葉山は様々なところから登れるのですが、今回は十分一峠が開通していることもあり、かねてから気になっていた肘折(三本橋)コースを選択。登山口は国道458号線沿い、新大師峠の手前、源内沢の奥にあります。登山口だけは何度も目にしているので、ここの水場でまずは水を補給しようと見てみたら、数日前の大雨の影響か、いつもは細い水の流れが瀧へと変わっていて面食らいました。


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 とりあえず水が補給できたところで、9時20分、いよいよ登山道へ。コース序盤は源内沢上流の沢筋に従い、奥へと入っていきます。はじめは杉が目立つも進むに従い広葉樹が増え、あたりは赤や黄色に色づいた森へと変わります。
 以前登った岩野コースや山ノ内コースとの違いは、沢伝いに道があること。ですので水の補給には困りません。ただしそのせいか、道がぬかるむところもけっこうありました。


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 歩くこと20分、750メートルほど進んだところで、道は沢筋から離れます。ところが古い地形図では現状と異なり、沢伝いに道が続いています。荒井は事前に電子国土や「やまがた山」のサイトの地図と見比べて、地形図が現況と違うことは織り込み済みなので、ここは無事クリア。瀧山の件で自分も学習しました(おい)。


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 10時ちょうど、標柱の立つ「大清水」に到着。ここは古い分岐のようです。地形図ではここから祓川方面に向かう道が分かれているのですが、現地を見る限り、それらしい道跡はわかりませんでした。どうやら廃道となってしまったようです。ここまで来れば1040mピーク東側の鞍部、通称「丸松山」はもうすぐです。


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 丸松山を越えると、道は再び沢筋へと下りていき、向かいの尾根へと取り付くのですが。このあたりがいちばん苦労しました。道が荒れているのと渡渉が絡むおかげで、踏み跡がわかりづらくなっているのです。それらしい踏み跡に当たりを付け、様子を見ながら進んでみますが、もし間違っていたらという不安はぬぐいきれません。間違っても即戻れるよう来し方を何度も振り返りながら沢を渡ること3回、急な斜面を登ることしばらく、目の前にロープ場が現れるのを見るに至って、ようやくこの道でよかったのだと安心します。
 しかしロープ場は山ノ内コース最大の難所・烏帽子岩に匹敵するほど急で、全く気が抜けないのでありました。


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 この丸松山から沢筋を渡り尾根に取り付くまでに至るこのあたりがこのコース最大の難所ですが、一方で渓谷の風景が楽しめるのもこのあたりでした。


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 尾根に取り付いてしまえば、あとはひたすら登るばかりです。前方には目指す葉山の稜線が見えてきますが、見えてはいるのに急登ゆえなかなか距離が稼げず、なかなか近づいてきません(おい)。もどかしい道中ではありましたが、ここまで来れば足もとは分厚い落ち葉の絨毯で、踏み跡も広く明瞭で、非常に歩きやすい道が続くのでした。


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 最後に急な斜面をひと登りして、11時半にトンボ沼到着。程なく奥の院にも到着です。眺めはここが一番よいので、奥の院到着をもって登頂としてもよかったのですが、三角点ファン的に葉山山頂は行かなきゃだめだろうと、奥の院からさらに15分ほど歩いて、山頂にも行ってきたのでありました。


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 葉山山頂は一等三角点です。しかも増大点にあたる重要な三角点ならば、見に行きたくなるのが極点ファンの心理というものです(おい)。今年はあれこれ山に登りましたが、御所山、月山、葉山、と三つの一等三角点を拝むことができました。


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 奥の院から山頂に至る登山道からは、葉山の馬蹄状の稜線や、富並川原流域の谷がよく見えます。真っ赤に染まる中腹の紅葉に目を奪われつつ、上の方に立ち並ぶすっかり葉を落とした木々に冬の訪れを予感するのでありました。


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 その後奥の院にとって返し、カップ麺で昼食。茶も淹れて一息つきます。あいにくの曇り空でふもとは雲の下でしたが、月山や鳥海山、船形連峰に朝日連峰といった、遠くの山並みははっきりと見えました。なんでも葉山からは山形にある日本百名山全てを見渡せるのだそうです。


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 13時に奥の院を発ち、登山口に戻ってきたのが14時35分。帰りは肘折に寄って、温泉と寿屋さんの新そばを堪能してきたのでありました。「肘折コース」だけに肘折には近いですので、下山後に温泉街に寄るなんてのはお手のものです。温泉街周辺の紅葉はちょうど見頃を迎えていたのでした。
 これで葉山には3回登ったことになりますが、肘折コースは岩野コースや山ノ内コースとも違った楽しさや魅力があるコースでした。次はまた別のコースから登ってみようとおもいます。