打ち終わったのにまだ紹介してないプログラムはまだあります。今回もMファン88年12月号からのご紹介、どちらもアイディアが見事な作品です。
「MOJI」は一風変わったパズルゲームといえばいいのかアクションゲームといえばいいのか。同じ文字が並ぶ中、いくつか紛れ込んだ似た文字をすべてピックアップするというゲームです。たとえば「め」が並ぶ中にいくつか「ぬ」が混じっているので、これを全部見つけて指摘すればいいわけです。全部見つけるのにかかった時間が成績です。
似た文字どうしをゲームに仕立て上げるという目のつけどころはもちろん、このゲームのうまいところは、クリアが自己申告制であるところ。全部見つけて指摘したぞとおもったらGRAPHキーを押すのですが、まだ残っていたりすると、残った文字の場所を明かされた上でゲームオーバーとなります。このおかげでゲームプレイに緊張感が生まれ、テンポよく遊べるようになってます。もし全部指摘したかを自動で判別してくれる仕様だったら、冗長になっていたでしょう。
「パドルくずしV3」は、逆ブロック崩しとか逆PONGとでもいった雰囲気のアクションゲームです。このゲームで崩すのはブロックではなく自分が動かすパドルのほう。パドルは飛び跳ねるブロックを打ち返すたびにどんどん短くなっていきまして、すっかり消えてしまうまで、ブロックを打ち漏らさないようにしなければなりません。
一見ブロック崩しのようでありながら、このゲームは実質、卓球のラリーやお手玉の再現です。漏らさないよう打ち返せというのみならず、打ち返すごとに難易度が上がっていくのを、「パドルが短くなる」というビジュアルで直観的に表現したのが実に巧いです。
どちらの作品もちょっとしたことなのですが、ちょっとしたアイディアをれっきとしたゲームに仕立てているところに感心しきり。「ゲームはアイディア」とはよくいったものですな。