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何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

谷地ひなまつりに行ってきた

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 河北町の矢ノ目糀屋さんに甘酒を飲みに行ったところ、谷地ではひな祭りの最中だったことをおもいだし、せっかくだからついでにと見てきました。
 そのむかし、町場では月の決まった日に市が立てられていました。そのひとつが「ひな市」です。
 桃の節句の頃に開かれる「ひな市」は、左沢大石田等、最上川の河岸町を中心に、伝統行事として今に伝わるのですが、特に河北町の谷地で開かれるひな市は大きなもので、古くから多くの商人や買い物客でにぎわったといいます。
 現在ひな市は最上川舟運でもたらされた歴史雛のお披露目と結びつき、春の一大イベントとなっています。荒井は「雛より団子」なので、もっぱら市の出店を見てあるいてきました。


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 会場は「ひな市通り」こと河北町中心街。通りの左右には焼きそばやわたがし、クレープ、どんどん焼き、から揚げ等々、お祭りではおなじみの食べものを売る露店がずらりと並び、食欲を刺激します。冷たい肉そばなど、河北町名物を食べさせる出店なんかもありました。


 中でも人気で行列ができていたのは、デコシャルチョコバナナ。クラッカーという八百屋さんが作っている高級チョコバナナで、スナック菓子やらチョコ菓子やらを山盛りにおごったデコレーションが目を惹きます。発売直後からFacebook等のSNSで人気に火が付き、今や谷地発のおやつとしてすっかり定着した感があります。いつぞやは全国区のテレビ番組も取材に来たとか。
 見た目こそイロモノっぽいですが、中身は確かで至っておいしいチョコバナナ。八百屋さんらしく材料にはこだわっているそうで、「極選」といういいバナナを使っているのがポイントです。
 もともと東日本の大震災で、クラッカーさんが石巻に応援に行った際、被災者の方々に喜んでもらおうと豪華なチョコバナナを作って配ったのが、デコシャルのはじまりなのだそうです。高級なのに300円とわりと手頃なのもうれしいところです。


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 谷地発のおやつでもうひとつ大人気なのが、デジョワまん平さんの揚げドーナツ。まん平さんは歴史ある地場のお菓子屋さんです。揚げドーナツはイベント限定の特別商品。先代の頃からひな市で売られていたらしく、これを楽しみにしている谷地っ子も多いのだとか。店の前のテントにフライヤーを構え、その場でタネを揚げて砂糖にまぶし、できたてを販売しています。こちらもけっこうな人数が行列してました。
 人気なものだから、たびたびタネがなくなって、その都度パティシエさんが補充にいきます。なくなったら新たに仕込み直すようで、いったん店に戻ったと思ったら、10分ぐらいしてからなみなみとタネの入った特大のボウルを抱えて出てきて、また揚げはじめます。
 待っている側も勝手知ったるものですから、待っている間もだれひとり文句は言いません。その様子がいかにものどかで、いい季節になったなぁとほっこりしました。


 この揚げドーナツ、やはり揚げたてのあつあつにかじりつくのが格別。外はサクサク、中はふんわりしっとり。素朴ながらやさしい甘さの逸品です。


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 台所用品や植木等々、食べもの以外のものも売られています。荒井の目を惹いたのはスリッパでした。今履いてるスリッパ*1がボロボロになって新しいのが欲しいなと思っていたところなので、ちょうどいいやと物色します。
 河北町は明治時代から、農家の農閑期の副業として草履製造がさかんになり、その流れで今でも町内ではいくつかのスリッパ業者さんが操業しています。
 町は「スリッパ生産量日本一」を謳っているのですが、海外の安価な輸入スリッパの流入で大打撃を受け、業者さんはこれではいかんと危機感を強め、近年は町産スリッパのブランディングを進めています。


 スリッパの露店は町内のスリッパ業者さんらによるもの。各業者さんによるさまざまな町産スリッパをまとめて手にとって選べる機会は貴重です。
 河北町のスリッパは品質が良いのですが、欲しくてもなかなか買える場所がありません。なぜならこれまでは問屋との取引が中心で、近場で扱っている店がないから。業者さんらもそのあたりは気にしているようで、いつでも選んで買えるよう、用意を進めているとのことでした。だからかこの露店もけっこうな人気で、荒井が選んでいる間も何人かスリッパを品定めしてましたし、何足か売れてました。
 中敷きに天然い草を使ったもの、素材やデザインにこだわったもの、草履タイプで地元職人による藁製中敷きが交換できるもの、卓球ラケットがわりに使える変わり種等々、どれにも目を惹かれましたが、今回選んだのはバブーシュタイプ。バブーシュとはモロッコ発の簡便な履物で、起こせるかかとが付いてます。いつもはかかとを潰して履いて、しっかり履きたいときはかかとを起こして足を入れられるようになってます。なんでもイスラム教徒がすぐに礼拝できるよう、脱ぎ履きしやすい作りなのだとか。
 こうしたユニークな品を高品質に作れる業者さんが多数存在するのが、河北町のスリッパ産業の強みです。ちょっと奮発しましたが、山形県民なら県産品を愛用したいと思うのは山形県民荒井の性。こいつも5年くらい履ければとおもいます。


 おもいのほか長くなったのでこのネタ次回に続きます(おい)。

*1:今は亡き吉久さんが倒産する直前にぶらっとぴあで買ったものを5年ばかり使ってました。