何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

琴壱さんに行ってきた

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 今日は用事のため寒河江に行かねばならなかったのですが、天気がそこそこ良かったのでこの機会逃すまじと単車を引っ張りだし、遠乗りしてきたのでありました。経由地は月山道と十分一峠(おい)。そういうわけで通り道にあったため、鶴岡で本日開業のラーメン屋「琴壱」さんに寄ってきました。


 三瀬の琴平荘で修行をした方が開店されるというので注目度も高いから、早く行かないとすぐには喰えないだろうなと踏んで、午前8時半頃に到着したのですが、その時点ですでに4人並んでました(おい)。ちなみに二番手さんが午前5時半到着で、一番乗りさんは午前3時半から並んでいたとか。庄内のラーメン愛好家間の「シャッター長競争」こと一番乗り争いの激しさを垣間見ます(おい)。結局、開店1時間前には十台弱程度の駐車場が満車となり、30人ほどが並ぶこととなりました。
 早くから並んでいるのは主に琴平荘の常連さんです。開店祝いを兼ねて駆けつけたのでしょう。ときおり様子を見に出てくる店主さんや、手伝いに来ている琴平荘の社長さんと談笑しています。店の前は花輪や生花で賑やかに飾られ、注目の新店ということでやってきたさくらんぼテレビの取材班がカメラを回していたりと、あたりはいかにも本日開店という雰囲気です。


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 待つこと2時間半。中から店主さんが出てきて「本日開店することになりました。楽しんでいってくださいね。」といったあいさつをして、いよいよ開店です。注文は券売機による食券方式。最初に喰うならまずはデフォだろとノーマルな中華そばと、名前が気になった「あのごはん」の食券を買って店員さんに渡し、番号札と引き替えに入店、空いてる席に座ります。開業の混雑にもかかわらず客捌きがスムーズなので、さすが県下随一の行列店で修行しただけのことはあるなと妙に感心しました。しかしのれんを風除室内に出すとは思わなかったぜ。


 個人的に琴平荘は「普通にちょっと旨いラーメン」を出す店だと思ってます。ただその普通さちょっとさ加減が尋常でありません。普通を極めれば普通でなくなってしまうという逆説。研究と試行錯誤をくり返した末の「普通にちょっと旨いラーメン」。言うなれば「スーパーノーマル」(おい)。バランスがいいとかネオクラシックという評判はそういうことなんだろうなと一人納得しています。初めて喰ったとき「意外と普通のラーメンだな...」と思いまして、それは基本的に今も同じなのですが、その後気になって数回、開店前から待ち構えて喰いに行っているわけですから、やはり惹きつけるなにかがあるのでしょう。


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 さておき、世間的には琴平荘系は、雑味のないアゴ出汁と動物系スープ・限界に近い超多加水麺が特徴だと言われてます。それとオーソドックスなようでいて、味や麺を変えたり、挑戦的なメニューを作ってみたりと、実はかなり攻めているところ。この店はどうかなと数分待った頃に配膳です。
 琴平荘を彷彿させる盛り付けながら、明らかに違うのはスープの色とメンマの細さです。さすが売りだけあって、自家製の麺が旨いです。一口すすったらスープを味わおうと思っていたら、いつの間にか何口も麺をすすっていてはっとしたという有様。スープは琴平荘よりあっさりめながら旨みがしっかり出ていてイヤな味がなく、麺との絡みも良いかんじです。ジューシーなチャーシュー、歯ごたえのある細切りメンマ等、具材の仕上がりもバランスも良好で、このラーメン、もしかしてかなり旨いんじゃないのかと(おい)。本家琴平荘より食べやすいという方もいるかもしれません。


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 名前だけで注文してしまった「あのごはん」。チャーシューの切れ端と件の細切りメンマを載っけたライスです。そのまま喰ってもハズレのない組み合わせですが、スープをすすりながらかきこむとやっぱりもっと旨くなりました。気になる方が多いらしく、先客の方々もこぞって注文してましたが、ともあれこの名前は卑怯だと思いました(笑)*1


 庄内もラーメン激戦区で、様々な名店が軒を連ねています。食いもの好きはどこに行こうか毎度頭を悩ますことになるわけですが、その選択肢が増えたことで、庄内での店選びでさらに迷うことになりそうです。

*1:ほめてます