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何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

THE DRAGON

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 例によってプログラムを打ち終わったのでまたご紹介。今回も電波新聞社MSX大全集収録のARPG「THE DRAGON」です。
 80年代中盤に人気を博したアーケードゲームドルアーガの塔」は、アマチュアゲーム制作者にも大きな影響を与えました。本作も「ドルアーガ」の影響が見られるそうした作品です。目的はドラゴンに囚われたガイを助けること。これだけでもう「ドルアーガ」フォロワーであることは明らかでしょう。とはいえカイに濁点が付くだけでずいぶんマッチョなかんじになりますな(おい)。ファイナルファイトかよ。


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 さておき、本作もドルアーガ同様の面クリア型アクションゲームです。画面はスクロールしません。敵を一定数倒すと扉が現れるので、入ればステージクリア。全5面構成で、ドラゴンが棲む最終面をクリアすると、ガイを助けたことになってエンディングです。ちなみにタイトル画面はなし。何の前触れもなくゲームが始まるので、起動したままぼーっとしてるとやられます(おい)。


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 城がある面には宝物が現れます。謎を解くと鍵が出てくるので、拾って城に行くとゲットできます。宝はブーツ・剣・楯の3種類で、手にするとプレイヤーがちょっと強くなります。
 スライム・ゴースト・ドラゴン等々、各面ごとに異なる敵が待ち受けます。この敵キャラは各面ごと、同一のスプライト番号に異なるスプライトデータを再定義して、同じスプライト番号を使い回し表示するという方式を採っています。つまりスプライトパターンを変えることで、同じ処理で全ての敵を表示しているのですが、力業ながら妙に感心してしまう方式です。


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 ゲームの鬼門は4面です。4面の敵はなんと見えません。敵にぶつかると自分の体力が減るので、それを目安にして攻撃ボタンを押して倒すことになります。見えない敵はスプライトパターンをヌルにすることで実現しています。実装といい倒し方といい、単純ながら巧いアイディアですな。


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 先に進むほど敵は強くなり、受けるダメージも増えますが、体力はステージクリア時にちょっとしか回復しません。クリアできるかどうかはけっこう運頼みのところがあります。敵は2体同時に出現し、そのうち1体はプレイヤーを追ってきます。動かず黙っていれば勝手に近寄ってくるので、これを利用すると相手にしやすいかもしれません。


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 本作はオールBASICで、ARPGとしては非常に単純な作りです。謎といってもとにかく敵を一定数倒すだけですから、謎というほどでもありません。ゲームとしては単純というより単調で、面白いかと言われれば微妙な部類でしょう。しかし見どころがないわけではありません。
 プログラムはBASICの基本的な命令だけで組まれており、難しいことは何もやっていません。リストも150行程度・マルチステートメント少なめで、短く読みやすいです。これだけ簡素なプログラムながら、いちおうの謎解きやアクション戦闘を実装して、さらに敵を2体同時に動かしていることは、よくやっていると素直に讃えるべきことでしょう。直接の関係はありませんが、本作の方向性はポプコム掲載の名作「シークレットルーム」に通じるものがあります。
 簡単な命令の組み合わせだけでれっきとしたARPGが組めるという事実。本作はプログラミング初心者の良い手本となる作品だと思います。