年の瀬ですが例によってやってることはプログラムの入力です。というわけでまた打ち終わったプログラムのご紹介。今回はベーマガ85年6月号掲載のアクションゲーム「BOUND WAR」です。
プレイヤーは戦闘機を操り、画面内に出現する敵を倒していきます。10機倒せば面クリア。3面で一周です。一見STGっぽいですが、実はさにあらず。それはこのゲーム独特のアクションにあります。
このゲームでは敵を倒すのに弾を使いません。戦闘機は弾のかわりに機体後部からバックファイヤを噴くことができます。これで敵を焼き払えというわけです。さらに戦闘機や敵の動きには慣性がかかる上、障害物に当たるとバウンドします。だから「BOUND」というわけですが、このトリッキーな挙動をうまく制することがゲームを制するポイントで、本作の面白さ。自機に敵がぶつかるとミスになるにもかかわらず、倒すためには敵の背後に肉薄する必要があるというのが、全く巧いです。
荒井が入力したのは「プログラム大全集」収録のもので、Kimcoさんによるプログラム解説が付いているのですが、動きの面白さと用いられたプログラミングテクニックを高く評されています。
簡素なりにけっこう凝った演出も見どころ。自機や敵の爆散アニメは、計算で同じスプライトを8方向に飛ばして表示しているだけなんですが、なかなか迫力がありますし、ステージごとに一応変わる背景も見た目に飽きさせません。こういうちょっとしたことが、遊んでいる分には嬉しかったりします。
ちょっと遊んで気になったのは、10機というステージごとのノルマが微妙に多くて少々中だるみを感じることと、やはり操作性。オールBASICのゲームであることを考慮すれば十分に早いですしゲームとしてちゃんと成立しているのですが、もっとキビキビした反応だったらもっと面白くなるんだろうなとつい欲張りたくなります。全体的にシンプルすぎるきらいはありますが、アイディアのまとまりのよい作品です。