何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「ザナドゥ・バイブル」読んだ

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 ネット上で懇意にしてもらってるとまとさんとtk_nzさんが最近上梓された同人誌「ザナドゥ・バイブル」が届きましたので、さっそく読みました。献本どうもありがとうございます。
 「ザナドゥ」はオールドPCゲーマーには言わずと知れた、日本ファルコムARPGです。その「ザナドゥ」が今年発売30周年を迎えるのを記念して、「ザナドゥ」大好きとまとさんとtk_nzさんが一念発起して作られたのが、こちらの本であります。
 同人誌とはいうものの、その力の入れ具合は半端ではありません。著者のお二方は「ザナドゥ」について専門家ともいえる知識を備えてますので、資料性は折り紙付き。しかも木屋善夫さんをはじめとするオリジナル制作スタッフさんによる座談会まで実現してます*1。30年前だったら山下章先生が電波新聞社から出していてもおかしくない内容です。


 内容は制作裏話から技術的解説、各機種の違い、当時の広告、キャラクターグッズなどなど、多方面から「ザナドゥ」の魅力に迫るもの。詰め込まれた情報の質と量はさすがとまとさんとtk_nzさんならでは、荒井のようなオールドファンも大満足です。それでいながら、遊んだことがない人、これから遊ぼうという人に向けてのガイドも充実してまして、「ザナドゥ」入門としても成立しているのが見事。30年経った今なお衰えぬ「ザナドゥ」の魅力を広く伝え残したいという、とまとさんたちの情熱が伝わってきます。


 クインテット組の離脱以来、日本ファルコムは制作スタッフの露出を極度に嫌うようになりました。それゆえ制作スタッフが直接作品について語った資料は貴重なものとなっています。「ザナドゥ」30周年の年に登場したこの書籍は「ザナドゥ」を語る上ではもちろん、日本のパソコンゲーム史を知る上でも大きな意義があるものです。ファンであろうとなかろうと、本書は「ザナドゥ」をよりよく知るための一級の資料、格好の案内書といって良いでしょう*2。そして荒井は30年の時を経てもなおファンに愛され続ける「ザナドゥ」という作品の偉大さを思い知るのです。
 最後になりましたが、この本を制作されたとまとさん・tk_nzさん、執筆お疲れさまでした!


ザナドゥ30周年記念 T][クロニクル情報館

*1:その中にはかの山根ともおさんも!!

*2:こうした書籍がプロのゲームライターによる商業出版物としてではなく、同人誌として出されたところに、30年の時の流れとネットワークの発達を感じます。