何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「HERO-X」




 また一本プログラムを打ち終わったのでご紹介。今回は久々にポプコムプログラム、85年6月号掲載「HERO-X」です。





 あらすじはスーパーウェポンを積んだヘリコプターを操り、都市を侵略する宇宙人を撃退せよというもの。まぁ、あってないようなものですな。
内容はご覧のとおりの縦STG。空中物と地上物を破壊しながら、先のエリアとハイスコアを目指すのですが、マップデザインにも見て取れるように、もろ「ゼビウス」の影響を受けています。





 85年当時、「ゼビウス」はまだまだ衝撃的な存在で、ファミコンを筆頭に、様々なコンピューターに移植されています。とはいえ当時のホビーパソコンはアーケードゲームを再現するにはまだまだ性能が貧弱。思えば当時のコンピューターは「『ゼビウス』をこれだけ再現できる!」ということが、
性能の高さを示す指標というか、ベンチマークのような存在になっていたのだと思います。MZ-2500が羨ましかったものですぜ。
 もちろん中にはスペックが貧弱すぎて移植できない、移植が難しいというハードもありました。MSX1はそのひとつで、「P6にさえ『タイニーゼビウス』があるのに!」と、ユーザーは地団駄を踏むことたびたびでした(おい)。





 それはさておき「ゼビウス」はそれほど当時のマイコン少年憧れのゲームで、「うちのマイコンで『ゼビウス』を遊びたい!」という抑えられない欲求が、数々のゼビウス移植やゼビウスSTGを生み出したのだと思います。
 本作「HERO-X」も、おそらくはそうして生まれた作品なのでしょう。本家「ゼビウス」同様、本作はバラエティ豊かな敵キャラとMSXなりに美しく描かれたステージが目を惹きます。敵キャラはスムーズにアニメーションし、移動パターンも様々。各エリアにも変化があって、見た目に飽きません。
 ゼビウスもどきにもかかわらず空中物・地上物の撃ち分けがありませんが、むしろ「スターフォース」のように、撃ち分けの手間が省けて爽快感が増したと考えましょう(笑)。





 しかし連射できない「スーパーウェポン」の仕様や、地上物でさえぶつかるとやられるというルール、敵が弾を放つとてきめんに処理落ちするところなどなど、今遊ぶには厳しいこともまた確かです。
 特に後半には、迷路のようなカベをきわどくすり抜けるエリアがあるのですが、当たり判定の大きさやカクカクの8ドットスクロールのおかげでクリアは困難。「バランス調整してねぇだろ!」と疑いたくなる難易度です。
 とはいえ85年当時のアマチュア制作ゼビウスSTGとしては相当に良い出来でした。


 この「HERO-X」、リストが非常に長く、ポプコムのプログラムカセットテープサービスで有償配布もされていました。そのテープサービスで入手した方もけっこういたのだとか。荒井の兄の友人にも、このサービスで手にした人がいたと記憶しています。


 なおこのプログラム、誤植由来のバグがあります。誌面そのままに入力すると、背景グラフィックがバグってまともに遊べません。修正情報を紹介しときますので、これから入力するぞ!という方はどうぞご参考に(おい)。


・リスト3「SCC8」のF000H〜F01F番地以降を以下のように変更。

F000H DA DA EA EA FC FC FC FC :78
F008H FC FC FC FC FC FC FC FC :E0
F010H A5 A5 AC AC 8C AF AF 6E :FA
F018H A5 A8 A1 A6 65 A6 9A 75 :AE
・リスト4「MENI7」入力前に実行するのは「CLEAR 100,&H9FFF」
・リスト5「S87」はA03FH番地まで載っているが、9F32H番地以降は入力の必要なし。