何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「SARNUS」




 またプログラムを一本打ち終わったのでご紹介。今回はログイン87年5月号掲載のRPG「SARNUS」です。
 作者は拙サイトでもおなじみログイン常連投稿者の高原保法さん。核戦争後の惑星サーナスを舞台に、謎のならずもの集団A.R.T.と戦うSFものです。プレイヤーは賞金稼ぎで戦車乗り。懸賞金目当てに荒廃した世界を巡るという内容は名作「メタルマックス」に通じるものがありますが、登場はこちらの方が4年ほど早いです。それだけでも意欲作であることはわかることでしょう。





 当面の目的は三つあるA.R.Tの基地を殲滅すること。基地攻撃には強力なミサイルが必要ですが非常に高価。装備を調えるためには敵を倒して賞金を稼がなければなりません。強い敵ほど賞金額も高いので、効率よく賞金を稼ぐには、戦車の強化が欠かせません。
 敵との戦闘は、画面内で弾を撃ち合うアクションゲームで、本作の売りの一つとなってます。





 「強い敵を狩りたいなら、キャラを強化するために敵を倒しまくろう」というのは、CRPGではよく見かける、戦闘の効果的な動機づけのひとつです。さっきの「メタルマックス」や「ウィザードリィ」等の作品にもみられるものです。
 そうした要素は本作にも見られるのですが、この作品については高原作品にしては異例と言うべきなのか...はっきりいっていまいちなのです。
 理由はなんといってもゲームバランスの悪さ。戦車の強化には多額の賞金が必要となるにもかかわらず、敵一体から得られる賞金はごくわずか。それだけならまだよいのですが、その周囲のゲームシステムが足を引っ張ってます。





 セーブの仕様は不完全で、記録すると所持金の100の位以下が斬り捨てられます。レベルを上げるには100勝しなければならないんですが、5回敵から逃げると下がります。そしてせっかく戦車を強化しても、それにつられて敵もそれ以上に強くなります。

 このおかげで「セーブ&ロードを繰り返し、弱い敵を選んで戦い、着々と蓄えを作り、装備を調え強くなったところで一気に逆襲。強い敵を狩りまくる」といったCRPGの常套戦術が使えず、ヌルゲーマーお断りの難易度となってしまってます。
 得られる賞金の割に一戦闘が長いところや、マップが1画面に収まるゆえ、プレイに変化がないのも大きな欠点。戦闘と報酬と成長のサイクルがうまくできていると、CRPGの戦闘は格段に面白くなるんですが本作はそこがちぐはぐで、せっかく面白い要素やシステムがもりだくさんなのに、生かし切れていないところが非常に残念です。
 「稼げない」「成長しない」「倒せない」。戦闘が楽しくないCRPGは面白くありません。


 本作のリストは随所にバグが散見されます。それまでの高原作品はにない試みや新機軸を多数盛り込んだ意欲的な作品であることは間違いないのですが、新しいことをやろうという気持ちが先走りすぎて、詰めが甘くなったのかなという気もします。高原さんには悪いのですが、遊ぶなら獲得賞金額を増やすとか戦車強化の限界値を上げるなどのプログラム改造をして、難易度を変えることを強力にオススメします。