何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「ハイド」




またプログラムを一本打ち終わったのでご紹介。
今回はまたまベーマガ88年6月号掲載のパズルゲーム「ハイド」です。
「ハイド」とは作中に登場する出題者の名前ということになってますが、
もちろん「隠す」という意味があるのでしょう。





目的は6x6のグリッド内に隠された9つの宝物を全て見つけること。
ただし掘れる回数は20回と決まっており、当てずっぽうに掘るわけにはいきません。
そこでヒントとなるのが、掘った場所に表示される「数字」です。
宝物は50点・100点・150点のものがそれぞれ3つずつ隠されているのですが、
この数字は周囲8マスに隠れている宝物の得点の合計数を表しています。
これを元に宝物の位置を推理し、発見していくのがこのゲームの骨子です。
手数にこそ制限がありますが時間に制限がないので、
その分じっくり推理が楽しめるのが本作の巧いところ。
考えに考えた末、予想どおりに宝物を掘り出していく快感が醍醐味です。





言うなれば本作は変形「マインスイーパ」とでも言うべきゲームです。
この手のゲームは淡々としたパズルになりがちな嫌いがありますが、
面白くするための工夫がいくつか見られます。
まずロボットことカーソルが移動できるのは
まだ掘っていないタイルと宝物が出たタイルの上だけ。
空だったタイルを踏むと即ゲームオーバーなので、掘る順序を考える必要があります。
「?」タイルは推理タイルで、これを掘ったら中身を推理して答えなければなりません。
ガイコツタイルは、強制的に「?」タイルの中身を答えさせられます。
厄介そうですが、「?」の下には必ず宝物がある上、
早いターンで当てるとボーナスがもらえたり試行回数が増えるといった特典があるので、
うまく利用することもできるという寸法。
そして忘れてならないのは出題者ハイドの台詞です。
要所要所でプレイヤーを挑発したり褒め讃えたりと、
ゲームに彩りを添えています。


本作は一見地味ですが、アイディアの巧さと、
それをさらに面白くする味付けと丁寧な作りが見事。
現在でも十分に通用する佳作と言ってしまいましょう。