何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「砂漠の人」




 大作を入力した後は、手軽なゲームを打ち込みたくなります。というわけでプログラムを一本打ち終わったのでご紹介。今回紹介するのはベーマガ90年11月号掲載のアクションゲーム「砂漠の人」です。
 作者はMSX投稿界では知る人ぞ知るEMGVT-HALT氏。主にベーマガ徳間書店のパソコン雑誌で活動した方で、センスの良いカッコイイゲームをあれこれ発表されています。本作はベーマガプログラムで、しかも本名名義で掲載されています。





 内容はいたってって簡単。全5画面から構成される砂漠を、一番左から右端まで横断すること。
 しかし砂漠は照りつける太陽で灼熱地獄と化し、日向にいれば体温が上がってみるみる干物にされ、足元にはサソリがウヨウヨ。さらに主人公は絶えず腹が減っていきます。
 体力・空腹度どちらかが限界に達すればワンミスで、残機を全て失えばゲームオーバー。体温は岩が作る日陰にいれば下がり、飢えはサソリを倒して食べれば凌げます。
 単に砂漠を横断するだけなんですが、プレイヤーには主人公のコンディションや地形、サソリの分布等を見極めながら行動することが求められ、ここが本作の面白さとなっています。


 ただしこのゲーム、リストが非常に読みづらいです。
 1行はマルチステートメントで限界255文字近くまでギチギチに詰め込まれ、その上特殊な計算式が多く、可読性がよくありません。
 1行に詰め込めるだけ詰め込むという書き方は、プログラムポシェットやMファンの1画面プログラムではおなじみの書法なんですが、今回は中規模のプログラムなので、入力とバグ捕りが大変でした。あまりよくない操作性と、サソリのアルゴリズムのせいか、難易度も高めです。
 とはいえルール作りの巧さはさすがEMGVT氏、センスのいいグラフィック等も、氏の面目躍如といったところでしょうか。もっと洗練されたバージョンが見てみたいと思わせる作品です。