何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「とりでの攻防」 for MSX2




おととい「SAVIOUR」を打ち終わった勢いで、
また一つプログラムを入力してしまいました。
今回入力したのはベーマガプログラムを代表する作品のひとつ、
対戦型SLG「とりでの攻防」です。
初出は89年5月号掲載、大高準一郎さんによるPC-8801版なのですが、
もとがシンプルな作品だけに移植もしやすかったようで、
その後有志の手によって、各機種に移植されています。
MSX2版もその数ある移植版のひとつで、90年1月号に掲載されています。
本作はX68k移植版も参考にしたようで、マップ表示や入力処理が
オリジナルよりカッコよくなってます。





ルールは至ってシンプル。砲台を操り、対峙する敵砲台を撃破すること。
砲台は固定式で、発射角と射出速度を指定すれば、
弾道を描きながらその方向に弾が飛んでいきます。
ただし間には高い山や谷があり、「FOR MSX ベスト50」収録の
オートキャノン」のように簡単にはいきません。
ただし地形は弾で破壊することができまして、山にトンネルを穿ち、
そこから攻撃といった技も使えます。


本作の味噌は、風の影響があること。
戦場には絶えず向きや強さが変化する風が吹いています。
同じ角度・速度で弾を打ち出しても、風によって弾道は大きく変わります。
ですからその時々に応じた角度や射出速度を与えてやる必要があるわけです。
順に砲台を撃ち合い敵砲台を撃破すれば1ポイント、2ポイント先取で勝利です。
なかなか撃破できないと、画面は次第に弾道だらけになり、わけのわからないことに(笑)
発射を繰り返しつつ弾の精度を上げ、敵を追い詰めていくわけですが、
そこに風という不確定要素が加わることで、数字の読み合いがさらに面白くなっています。





「弾を撃ち合って敵の撃破を目指すサイドビューゲーム」という点では、
MSX・FANに掲載された「Bomber☆くらげ」がありますが、
そちらが「ウォーロイド」的な「なさけむよう」のデスマッチアクションの傑作ならば、
本作は非リアルタイム型対戦SLGの傑作と言えましょう。