何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「Legion」





MSXには徳間インターメディアの「MSX・FAN」とアスキーの「MSXマガジン」という
専門誌がありまして、ユーザーはたいがいどちらかを購読していたものですが、
今回紹介する「Legion」は、1988年頃のMマガに載っていたシューティングゲームです。
掲載号が特定できないのは掲載誌の現物が現在手元にないから。
その昔、Mマガを購読していた友人が本作を見て「これを入力してくれ!」と
掲載誌と一緒に荒井に入力を押しつけやがりまして、
入力後掲載誌を彼に返してしまったので、データだけ手元にあるというわけです。


当時、ホビーパソコンの主なユーザーは中高生でしたから、
そのお小遣いで買えるパソコン雑誌など限られています。
ベーマガ」「ログイン」「ポプコム」「テクポリ」「プロポシェ」「コンプティーク
「Oh X!」「I/O」「Beep!」「バッ活」「Mファン」「Mマガ」等々、
パソコン雑誌は数あれど、その中から特に読みたいもの、
興味のあるものだけをいくつかより抜いて購読していました。
毎月全部購読できたのは、一部のマニアかお金持ちぐらいのものです。
それはMSXユーザーも同じで、荒井の友人連中は、
だいたいMマガかMファンのどちらかだけを購読していました。
荒井はMファンを購読してたので、Mマガは買っていなかったというわけです。





さて、この「Legion」ですが、ご覧のとおり、「ザナック」風の縦シューです。
空中の敵と地上の敵を倒しつつ、先の面を目指すというものですが、とにかく難しい!
オールマシン語なのでスピードが速いだけでなく、当たり判定が微妙に厳しかったり、
敵の攻撃が半端でなく激しいので、自力では1面クリアするのも難しいです。
どれだけ速いかというと、ソニーのMSXに付いているスピードコントローラーや、
blueMSXの速度調整機能を使って、動作速度を50%程度まで落としても、
通常のSTGとして通用するほどで、さらには20%まで落としても苦戦するほど。
難易度も半端でなく、パワーアップすると即敵の攻撃が激しくなりまして、
バトルガレッガ」ではありませんが、「画面中から弾が滲みだしてくる」ような状態になります。
実はパワーアップしない方が遊びやすかったりして(おい)。
技術的にはかなりのものがありまして、見た目も非常にきれいなのですが、
ゲームバランスで損しているという印象です。
爽快感なら以前紹介した「PERSPECTIVE」や「GENIUS」の方が上ですかね。





Mマガは専門誌としては先発で、MSX規格の中心的存在だったアスキーが直々に出していました。
それだけにMSXの技術情報については、他の追随を許さぬところがありましたが、
意外にも、荒井の周囲ではMファンの方が人気がありました。
Mマガは92年5月に休刊していますが、Mファンはなんだかんだで95年まで刊行しています。
最後の最後までユーザーや読者のことを考え、がんばって刊行してくれた。
Mファンが支持されたのは、やはりその点に尽きるのではないでしょうか。


ちなみにその友人は十年以上前、軽トラで自爆事故を起こし、鬼籍に入られています。
生前、彼は何面までクリアできたのでしょう?