何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「SPIRIT」




作品データ 「SPIRIT」
小学館「ポプコム」1987年4月号掲載
MSXシリーズ/RAM32KB以上 作者・松原輝彦


勝手にオールド打ち込みプログラム紹介ネタ、
今回紹介するのは先日打ち込んだ「SPIRIT II」の前作こと「SPIRIT」です。
続編同様、不可逆スクロール式のアクションゲームですが、本作は縦スクロールで、
1ライン単位で任意にスクロールできるようになっています。


「II」では壺を10個集めて扉から脱出するのが目的でしたが、
本作の場合、壺を使ってスライムを10匹倒して扉から脱出するのが目的です。
ちなみに「II」の物語の発端は本作でスライム退治に壺を使ったことにありまして、
持ち主から壺を弁償するよう求められたものの、それだけのお金がなかったので、
魔界にかわりの壺を盗みに行くという、ヒドいものだったりします。





さておき、退治するためには随所に落ちている壺を動かし、スライムにぶつけていきます。
この方法でしかスライムは倒せないので、壺のある場所でいかに巧く立回るかが攻略の鍵となります。
下手に壺を動かしたりスクロールを進めたりすると、自ら進路を塞いでしまったり、
壺が足りなくなったりしてやりなおしなんてこともしばしば。
限られたリソースの使い方や先のことを考えながらプレイしないとハマるという
パズル色の強さは続編同様で、ここが本作の面白さとなっています。


オールBASICで組まれているため、動作速度こそ「II」に劣りますが、
ルールのわかりやすさや遊びやすさでは、こちらの方が上ですね。
遅いなりにアクションの技が要求されるところもありますし、
既存の面に飽き足りなければ面データを弄って簡単に新しい面を作れたりと、
遊べる一本に仕上がっています。