何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

枯れた技術とロストテクノロジー

薄型テレビの普及で、ブラウン管テレビの居場所が急速になくなっている。2011年7月にアナログ放送が終了することもあり、多くの家電メーカーが国内販売から手を引きつつある。先週、日本や韓国などの主要メーカーが国際カルテルを結んでいる疑いが発覚。ひょんなことから価格が安いブラウン管のニーズが大きい新興国市場を新たな居場所としていることが浮き彫りになったが、国内の店頭から姿を消す日はそう遠くはなさそうだ。

最近のゲーム機では「光線銃」のオプションをさっぱり見かけなくなりましたが、
CRTを使わないテレビの普及もその大きな原因になっているのでしょう。
タッチや傾きを盛り込んだ操作系が注目を浴びている一方、
既存の光線銃の技術は廃れつつあるように思われます。


ちょっと前にニコンがSPを復刻した際、ユニバーサルファインダーの再現に
えらく苦労したという話を思い出しました。
SPはそれこそ50年は前の写真機で、当時あたりまえのように作られていたにもかかわらず、
「製造技術が失われたから」という理由で再現が危ぶまれたという話です。
50年前より格段に技術が進歩したはずの現代なのに、
50年前の製品の再現に四苦八苦したわけです。
現代ではレーダー探信儀の技術が高度に発達した一方で、
15m光学測距儀を作れる技術は残ってないということです。


進歩というものは、実は取捨選択や淘汰の一面に注目しただけにすぎなくて、
その一方で、退歩している分野があるということを、
我々はもっと知っておくべきなのかもしれません。