何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

甑峠に行ってきた




久々に晴れ上がったので、甑峠に行ってきました。
甑峠は秋田県旧鳥海町と山形県真室川町の間にありまして、
険しいことで知られる双耳峰、甑山の北嶺を通っています。
本来、峠道は矢島街道の要所として、旧鳥海町笹子(じねご)地区と、
真室川町朴ノ木沢地区を結んでいたのですが、
朴ノ木沢側の取り付きは完全に藪に埋もれています。
そのかわり別の道が通じていまして、
現在でも、鳥海町から真室川へ歩いて超えることが可能です。


甑山はその地形ゆえ、かつては修験道の道場となっていた山です。
峠行もかなり大変になるのでないかと心配していたのですが、
道は遊歩道としてよく整備され、案内板等も比較的充実してました。
史跡や自然にも恵まれ、非常に楽しく歩いてきたのでした。
この峠道、何が凄いかといえば、その途中途中にあるブナの森や巨木たちです。
特に峠周辺には、樹齢700年を超えるだろう、三つの桂の巨木がありまして、
森の中に屹立する姿に、ただただ圧倒されるばかりでした。
先人らはこの森に霊力や生命の力というものを感じたのでしょうし、
それゆえに修験道の道場となったのではないかという気がします。
それにしても本当、地元にこんないい峠があったとは!


ついでに、実際峠に行こうという方に少々助言を。
低山にはよくあることなのですが、地形図に表記された道以外にも、
小さな枝道がいくつもありまして、整備されてこそありますが、
ある意味迷いやすくなっています。
しかも載っている道が古いため、地形図を信用しきっているとえらい目に遭います。
地形図とコンパスの他に、甑山の登山ガイドを参考にするとよいでしょう。